岸田首相、少子化対策3.5兆円「実質的な負担なし」の大嘘…「医療費減れば」「給料上がれば」「予算見つかれば」の超希望的観測

写真:つのだよしお/アフロ

 

 2023年12月末までに結論を出す「異次元の少子化対策」の財源について、岸田文雄首相はこれまで「国民に実質的な追加負担を生じさせることはない」と明言していたが、ここにきて発言の修正が目立ってきた。国民はまた、岸田首相に騙されるのだろうか。

 

「少子化対策のため、2024年度から3年間で国と地方あわせて年に約3.5兆円の予算を確保するとしています。財源は(1)既存予算の活用、(2)社会保障費の歳出改革、(3)社会保険料に上乗せする『支援金制度』です。

 

 

 支援金は国民1人あたり月500円程度の負担と想定されていますが、政府は『社会保険料の増額を抑えれば実質的に負担がないようにできる』としています」(経済担当記者)

 

 つまり、医療や介護の支出を減らすことで、「500円をいただいても、負担にはなりませんよ」ということのようだ。しかし、立憲民主党の議員秘書は、冷ややかにこう指摘する。

 

「上乗せ月500円、年6000円は、国民にとって間違いなく負担増です。社会保障費はこの先も右肩上がりになるでしょうから、保険料も間違いなく上がります。こんな都合のいい言い訳が、いつまでも続くわけがありません」

 

 11月28日の参院予算委員会でも、少子化対策の財源と国民負担が議題になり、岸田首相からは、とうとう「実質的な国民負担とは “金額” ではなく “負担率”」との驚くべき発言が飛び出した。

 

「500円という『金額』が増えても、賃上げにより収入が増えれば、社会保険料や税金などの『国民負担率』は相対的に軽くなるので、実質的に負担は生じないという論法です。

 

 首相は『全体の取り組みを通じてみれば、“国民負担率” は上昇しない』と発言しました。要は『賃上げできれば大丈夫』という仮定なのです」(同)

 

 2023年度の国民負担率は46.8%と見込まれている。総収入のおよそ半分を、税金と社会保障費(年金・医療など)に払っていることになる。

 

「首相の答弁は仮定に仮定を重ねた論法です。まずは『社会保険料が減ればいいなぁ』ということ。次に、『賃上げできればいいなぁ』ということ。賃上げが進めば、国民は負担を感じづらくなると考えているわけです。しかし、中小企業などに賃上げが波及するかは未知数です。

 

 もうひとつの『既存予算の活用』についても疑問が残ります。鈴木俊一財務相は『税収が増えたぶんはすでに使っている』と発言していますし、余った予算など見つかるのでしょうか。こんな調子で3.5兆円も集められるとは、とうてい思えません」(同)

 

 ニュースサイトのコメント欄でも、

 

《来春は 大手のみ賃上げで達成し 分配の上がらない中小企業の労働者は 負担率が上がるんだろうね》

 

《所得がそんなに簡単に増えるものなのでしょうか? 「率を変えない」その自信は何処から来るのだ?》

 

《給与が上がれば負担率は変わらないと言う詭弁。しかも給与が上がるかは希望的観測でしかない》

 

 などのコメントが多かった。国民は見透かしている。

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