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【なんてったってリハビリ!】単身者の強い味方・医療ソーシャルワーカーとは?

MSWの西原さん

【なんてったってリハビリ! もしもに備える!基礎知識と最新事情】一人じゃない。リハビリには強い味方がいる! 自らもリハビリ入院生活を送った医療ライター・熊本美加氏が注目したのは医療ソーシャルワーカー。個々の事情や状況に合わせた手助けをしてくれるとか。

 私は低酸素脳症による「高次脳機能障害」と診断を受け、リハビリ病院に転院しました。初診で主治医から、「まずは心理療法と作業療法で認知機能を評価しつつ、理学療法で入院期間に低下した体力回復を進めます。その結果を見て、仕事復帰を目指すリハビリ計画を具体的に立てて進めていきましょう」と伝えられました。

 東京都リハビリテーション病院では、一人ひとりの患者さんの症状の重症度や帰宅後の環境を判断し、サポートが必要な方には医療ソーシャルワーカー(MSW)が対応しています。私はMSWに対面することはありませんでしたが、必要な方には入院当日に、主治医の診察を受け、看護師さんが入院生活や病棟についてお話しした後に、MSWが登場。介護保険についてや、退院後の在宅での介護やリハビリで福祉用具や住宅改修が必要になった場合、どこまで介護サービスで補うことができるかを説明してくれます。それらは申請して結果が出るまで約1か月半はかかるので、入院して早々、本人とご家族に説明して退院後に備えてもらうのです。

「病気やけがにより障害をもった患者さんたちが、リハビリ病院での入院生活を終えて、社会復帰していくには、いろいろな準備が必要です。経済的なことを考えただけでも、入院費、退院後の生活費があるか。仕事については、傷病手当、休業補償の手続きはとれるのか。さらに、復職に向けてのプロセスを企業側とやりとりし、実務での注意点の共有や、医療保険、介護保険、労災などの保険、身体障害者手帳、障害者年金などの手続き…。必要なら、介護施設、住宅改修についてなど多岐に及ぶ課題の相談にものり、ベストな方法を模索し、調整していきます」

 こう話すのは、MSWの西原さん(東京都リハビリテーション病院)。患者さんの希望を最優先にしながら、ご家族の意見も聞きつつ、最良な方法を整えていくのです。

 65歳以上は介護保険が使えますが、40歳以上だと特定の疾患以外は対象になりません。交通事故も対象外。そういった介護サービスが使えないケースでも、他のサービスが使えないか。障害者手帳はすぐに申請できるのか、その方が帰られる住まいの地域の特徴や使える制度も調べてくれます。キーパーソンがいない、もしくは遠方で手続きが困難な場合は、福祉制度の申請手続きの代行まで行っているそうです。

 MSWは、経済的困窮、高齢世帯、認知症、DV、虐待、住まいがない、といった、ソーシャルハイリスクな方々の相談にも、こういう制度や、相談窓口があるよと、支援の道を探ってくれます。

 私のような単身独居(猫は3匹いますが)で、誰も面倒を見てくれる人がいない人間にとっては、本当に心強い存在といえます。

 ☆くまもと・みか 医療ライター。昨年、電車内にて心肺停止で倒れ救急搬送。幸運にも蘇生したが、低酸素脳症による高次脳機能障害でリハビリを経験。社会復帰後、あまり知られていない中途障害者のことやリハビリの重要性を発信中。

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