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【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】あの山手線に日本一〝腰の低い〟改札口が!!

田端駅南口は日本一腰の低い改札口だと思います

私には“尊敬する改札口”が、一つだけあります。それはJR山手線の、田端駅の南口です。そこで今回は「日本一腰の低い改札口」を思いっ切り、褒めたたえたいと思います!

 山手線といえば、日本で知らない人はいないくらい、知名度のある路線だと思います。乗降客数が日本一の新宿駅があるし、日本で初めて鉄道が走った新橋駅もあります。そんな泣く子も黙る印籠のような路線の駅なのに、田端駅は東京の人しか知らない駅ではないでしょうか? 立派な肩書があるのに、私には「すみません、一応山手線に在籍してますが、東京駅さんほど立派ではないので…」と言っているように思えてしまいます(笑い)。

 そんな田端駅に、私は勝手に親近感を持っているんですが、この駅にはさらに腰の低い改札口があるんです。田端駅には2つの出口があって、北口は3階建ての立派な駅ビル。スーパーの成城石井にスターバックス、TSUTAYAなど複数の店舗があり、とてもにぎわっています。

 でも一方、写真の南口を見てください。まるで山奥のローカル線にある駅みたいで、天下の山手線にある駅とは到底思えません。北口には駅員さんがいますが、こちらは無人改札! 哀愁が漂っています。

 改札を出ると細く長い坂道が続いて、住宅街に出ます。すぐ真横を最新型の新幹線や山手線がビュンビュン走っていくのに、どういうわけかここだけ時空がゆがんでいるようにも思えます。

 極め付きは南口改札への案内です。ホームから南口へ向かうと、あちこちに「こちらは南口です」「北口改札はUターンしてホーム約100メートル手前にございます」とか、「トイレ・バス・タクシーは北口改札にございます」「南口にはございません」と間違えて南口に行かないよう、北口に誘導する看板があります。まるで南口が「え? 僕でいいの? 本当にいいの? 後悔しない!?」と、へりくだっているようです。腰の低い改札口に、親近感と愛着が湧きませんか?(笑い)

 最後に木村ポイント! そんな南口が一躍、有名スポットになる出来事がありました。昨年公開された、新海誠監督による映画「天気の子」では、重要なシーンで登場したため、“聖地の駅”と呼ばれるようになったんです。もしかすると新海監督も、ここを尊敬する改札口だと思っていたりして!?(笑い)

 それでは山手線の陰の立役者、田端駅南口へ出発進行~!

☆きむら・ゆうこ 1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。

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