【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】密にならない乗り鉄(1)駅編 JR日豊本線・宗太郎駅

宗太郎駅は密にならないスーパー秘境駅です

 新型コロナウイルス感染拡大の防止のために実施されていた都道府県をまたぐ移動の自粛も、最近になってようやく全国で緩和され、旅行へ行く人も増えてきました。

 でも今はまだ「密閉・密集・密接」の3密は避けたいですよね。そこで今回から3週にわたって「密にならない乗り鉄」をご提案します! 第1回は駅編です。

 密にならない駅と言えば、一番に思い浮かぶのが秘境駅ではないでしょうか。秘境駅とは山奥など、人里離れた場所にポツンと立つ駅のことです。全国にいくつかありますが、今回は「大自然でリフレッシュ! 1人で行っても寂しくない秘境駅」をご紹介します。

 その場所は、大分県にあるJR日豊本線・宗太郎駅です。江戸時代にこの付近の管理を命じられた「洲本宗太郎」が駅名の由来になっています。ある秘境駅ファンはこの駅にホレて、自身の子供を“宗太郎”と名付けました。鉄道ファンにはアツい場所なんです!

 1日に停車する列車の本数は上り2本、下り1本の3本しかありません。下り列車は、朝6時54分が始発兼最終列車という超スーパー秘境駅! 時刻表を眺めるだけでゾクゾクしてきます(笑い)。

 そんな駅に私は、ある冬の日に向かいました。列車のドアが開くと、視界の先には草木しかありません。まるでジブリの世界への入り口のようです。列車を見送ると、風で木々が揺れる音、鳥のさえずり、近くを流れる川のせせらぎしか聞こえなくなりました。周辺には民家が数軒ありますが、人の姿はありません。ソーシャルディスタンスが完璧に保てますね。

 そんな場所に1人で行くと寂しい気もしますが、ここではかわいいキャラクターが待っています。それが写真にある“石神様”! ベンチ、ホーム脇の草むら、駅の入り口などあちこちで、「よく来たな、まあすわれ」「秘境駅 なんにもないが なにかある」などと語りかけてくれるんです。

 実はこれ、訪問した鉄道ファンが足跡として置いていったもの。行くたびに石神様が増えていて、ほっこりします。

 ここで木村ポイント! 列車本数が極端に少ないため、上りなら朝6時39分、下りは6時54分に到着すると、次の上り列車が来るのは20時7分。13時間以上も滞在することになります。近くにお店は何もないため、必ず食料持参で訪問してくださいね。それでは次回、「密にならない乗り鉄・列車編」へ出発進行~!

☆きむら・ゆうこ 1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。

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