謹慎処分と報じられた正恩氏の妹・与正氏 金英哲氏とともに健在アピールの狙い

 金正恩朝鮮労働党委員長の妹も失脚していなかった。北朝鮮の朝鮮中央通信が4日、正恩氏ら幹部が3日、平壌でマスゲーム・芸術公演「人民の国」を鑑賞したと報じたなかで、韓国の一部メディアに謹慎処分と報じられた正恩氏の妹・金与正(キム・ヨジョン)党宣伝扇動部第1副部長が列席していたことが分かった。

 韓国の朝鮮日報は先月31日、ハノイ米朝首脳会談決裂の責任を問われた与正氏は失脚し、謹慎処分となったと報じていた。同様に強制労働・思想教育処分となったと同紙に報じられた金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長も2日に正恩氏とともに軍部隊の公演を平壌で鑑賞したと朝鮮中央通信が報じ、朝鮮日報の報道は連日否定された形だ。

 与正氏が公の場に現れたのは4月の最高人民会議(日本の国会)以来、53日ぶり。しかも、その公演鑑賞時の着席写真が、正恩氏の李ソルジュ夫人の隣で、格上のはずの李スヨン党副委員長よりも上座だったことで、様々な見方が上がっている。

「与正氏の座席をみると、米朝首脳会談の責任を問われて失脚どころか、逆に地位が高くなったのではないかとも分析されている。朝鮮日報では米朝会談での与正氏の言動が“出すぎた行動”として問題視されたと報じられたが、出世が事実なら真逆の待遇。一方で、英哲氏の健在ぶりアピールとあわせ、韓国側の勝手な報道を誤報と強調するため、2人とも地位は変わらず、単なる当てつけのような意味合いがあるのではともみられている」(永田町関係者)

 ただ、対韓、対米外交で正恩氏の最側近として表舞台に立っていた与正氏が、米朝会談決裂以降、ロシアでの首脳会談にも姿を見せなかったのは事実。約3か月ぶりに動向が報じられたことで「妹ならではの超短期謹慎処分だった?」(韓国メディア関係者)と独裁ぶりを批判する声も上がっている。

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