大阪・堺連続強盗殺人犯が死刑確定へ 執行空白期間に存廃論議動くか

 2011年に象印マホービン元副社長の尾崎宗秀さん(84=当時)と主婦田村武子さん(67=当時)を殺害した強盗殺人などの罪に問われ、一、二審で死刑が言い渡されていた西口宗宏被告(57)に対し、最高裁は12日、上告を棄却。死刑が確定する。弁護側は絞首刑の違憲性を主張する異例の公判だったが、死刑制度改革の論議にも動きが出てきた。

 同被告は田村さんをラップで巻きつけ、殺害。知人だった尾崎さんも同様の手口で窒息死させる残虐な手口で社会を震撼させた。裁判が始まるや起訴事実を認める一方で、弁護側は「絞首刑は残虐な刑罰」と無期懲役を求め続けた。

 09年に起きた大阪でのパチンコ店放火事件で死刑が確定した男も弁護側が「絞首刑は違憲」との主張を展開し、最高裁で「合憲」と退けられている。

「絞首刑の違憲論議は、死刑廃止の世論喚起の意味合いが強い。国際的には死刑廃止が多数を占める中、日本は凶悪犯への死刑はやむを得ないと賛成が多数を占めており、制度改革の話に進まない」(法曹関係者)

 昨年、オウム死刑囚の刑執行でも是非が論じられたが、再び存廃論議が活発化しようとしている。国会には超党派の「死刑廃止を推進する」議連があったが、かじ取り役の亀井静香氏が一昨年に政界を引退し、活動休止状態になっていた。

「自民党の河村建夫元官房長官が会長を務める『日本の死刑制度の今後を考える議員の会』が昨年末発足し、50人以上が参加し、廃止ありきだった議連から“今後を考える会”に看板を替えて復活した。二階俊博幹事長も顧問に名を連ね、与党議員が幹部になったことで、死刑に代わる終身刑の導入を求める声が強くなってくるでしょう」(議員秘書)

 今年は天皇陛下の退位と新天皇即位、来年は東京五輪の開催で祝賀ムードと国際世論に配慮し、死刑執行は控えられるとみられる。この“空白期間”に死刑存廃論議に火がつくのか――。

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