年の瀬に駆け込み死刑執行で憶測 オウムを“平成最後”にしたくなかった?

金与正氏(ロイター)

 法務省は27日、1988年に投資顧問会社社長ら2人を殺害し、強盗殺人などの罪に問われた元暴力団幹部岡本(旧姓河村)啓三死刑囚(60)と、元投資顧問業、末森博也死刑囚(67)の刑を大阪拘置所で執行したと発表した。

 官公庁の仕事納めとなる28日を翌日に控え、行われた死刑執行。刑事施設・受刑者処遇法では29日~1月3日の年末年始は死刑を執行しないと定めており、抵触しないものの、時期としては異例だ。さらに岡本死刑囚は再審請求中だった。

 山下貴司法相は25日に執行命令書にサインしたと明らかにした上で「法の峻厳さに向き合い、慎重な上にも慎重な検討を重ねた結果だ」と話した。

 今回の執行はオウム真理教による一連の事件で、麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚ら幹部13人が7月に2回にわたって執行されて以来。今年の執行数は計15人となり、93年以降、最多だった2008年に並んだ。

 永田町では“平成最後の駆け込み執行があるのでは”と予想されていた。

「来年は天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位の慶事があり、死刑執行はできないとみられています。オウム事件の刑執行は平成のうちに終わらせたが“最後”にはしたくなかった思惑が働いたのでしょう」(永田町関係者)

 オウム死刑囚の執行サインをした上川陽子法相は、10月の内閣改造で退任。

「通常、大臣任期が終わった後はSPは付きませんが、上川氏には不測の事態に備え、今でもSPが付いて、警戒に当たっています」(法曹関係者)

 平成の死刑執行を振り返った時、最大のインパクトとなったのはオウム死刑囚の執行であることに変わりはなく、次の時代にも語り継がれることになる。

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