紫式部の旅を再現 雨の中、あでやか平安衣装で行列 京都・宇治

紫式部役の井上花音さん(手前)とともに宇治川を渡る平安衣装の行列=京都府宇治市の朝霧橋で2024年10月18日午前10時14分、鈴木健太郎撮影

紫式部役の井上花音さん(手前)とともに宇治川を渡る平安衣装の行列=京都府宇治市の朝霧橋で2024年10月18日午前10時14分、鈴木健太郎撮影

 「源氏物語」の作者、紫式部が京の都を離れて越前国(現在の福井県)に向かった時の旅を再現するイベント「紫式部の旅」が18日、始まった。初日は京都府宇治市で「出立の儀」があり、一般から公募した府内や福井県内などからの参加者らが平安衣装に身を包み、行列となって宇治川周辺を練り歩いた。

 イベントは、父藤原為時の越前守着任に同伴し、生涯で一度だけ京の都を離れた紫式部の故事をしのぼうと、国府があったとされる福井県越前市と、同県内の官民でつくる「紫式部プロジェクト推進協議会」が主催し、「紫式部ゆかりのまち」をPRする宇治市などが共催した。道中に当たる京都、滋賀、福井の3府県計5カ所で再現行列を披露予定で、行列参加者は計117人にのぼる。

 この日は世界遺産・宇治上神社を会場に、寝殿造りの拝殿(国宝)を京の為時邸に見立てて儀式が行われた。山田賢一・越前市長、松村淳子・宇治市長のあいさつの後、紫式部役の井上花音さん(23)、為時役の福本徹さん(64)=ともに宇治市在住=らが、越前下向への旅立ちを寸劇で表現。33人の平安行列は神社を出発し、小雨の中、さわらびの道、朝霧通り、宇治川にかかる朝霧橋を通って中の島の十三重石塔(重要文化財)までの約700メートルの道のりを歩いた。沿道には観光客や地元住民らが詰めかけ、あでやかな平安衣装を身にまとった参加者らを写真に撮っていた。

 井上さんは「衣装は重かったが、雨にも負けず無事に再現できた。これで宇治の魅力をより多くの人に知ってもらえれば」と話した。

19、20日は福井で

 この日は午後に大津市でも行列があった。19、20日には福井県の敦賀市、南越前町、越前市を会場に順次行われる。【鈴木健太郎】

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