文楽、講談、吉本新喜劇…ジャンル超えたコラボが実現 大阪で2公演

「伝統芸能新喜劇」の作・演出を手掛ける久馬歩さん(左端)と、出演する内場勝則さん(左から3人目)ら=大阪市中央区で2024年8月29日午後6時6分、関雄輔撮影

「伝統芸能新喜劇」の作・演出を手掛ける久馬歩さん(左端)と、出演する内場勝則さん(左から3人目)ら=大阪市中央区で2024年8月29日午後6時6分、関雄輔撮影

 人形浄瑠璃文楽と吉本新喜劇、現代美術など、ジャンルを超えたコラボレーションが楽しめる二つの公演が今月、大阪市内で開催される。文楽、講談、吉本新喜劇が初めてタッグを組む「伝統芸能新喜劇」(22、23日、クールジャパンパーク大阪SSホール)と、文楽と浪曲が現代美術を背景に四季を表現する「中之島文楽2024」(25、26日、市中央公会堂)。古典芸能になじみのない人でも、それぞれの芸の魅力を気軽に体験できる機会になりそうだ。

 「伝統芸能新喜劇」は、かつての活気を取り戻そうと奮闘する商店街が舞台のドタバタ劇。お笑いユニット「ザ・プラン9」の久馬歩さんが作・演出を手掛ける。内場勝則さん、未知やすえさんら吉本新喜劇のメンバーに加え、豊竹芳穂太夫さんら文楽の技芸員と、講談師の玉田玉秀斎さんが出演。それぞれの芸を披露する場面もある。

 久馬さんは「化学反応を楽しんで」とPR。内場さんは「伝統を重んじない“何でもあり”の吉本新喜劇と古典のコラボ。未知の世界ですが、楽しいものができそう」と期待を込める。

 一般6000円(当日500円増)、小学生以下2000円。FANYチケット(0570・550・100)。

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 「中之島文楽」は、文楽や歌舞伎で親しまれる名作「夏祭浪花(なにわ)鑑(かがみ)」を基に、浪曲師の真山隼人さんが新作浪曲を披露する。続いて、文楽「花競四季寿(はなくらべしきのことぶき) 関寺小町」「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ) 火の見櫓(やぐら)の段」「義経千本桜 道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」を、豊竹藤太夫さん、竹本織太夫さん、鶴澤燕三さん、吉田玉男さんらの出演で上演。画家の谷原菜摘子さんの絵がプロジェクションマッピングで舞台を彩り、英語字幕と、放送作家・東野ひろあきさんによる「わかりやすい日本語字幕」が付く。

 人間や社会の闇を主題に、自作の物語を基にした作品を発表してきた谷原さん。「既存の物語を作品にするのは初めて。文楽の作品世界と自分の作品世界を融合させたい」と語る。

 一般2500円(当日3000円)、高校生以下500円(同700円)。アーツインテグレート(06・6372・6707)。【関雄輔】

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