25カ国の芸術家らが美濃和紙の魅力紹介 豊川稲荷東京別院
美濃和紙などを使った作品=東京都港区元赤坂の豊川稲荷東京別院法輪閣で2023年9月15日、野倉恵撮影
岐阜県美濃市に伝わる美濃和紙を使った作品を紹介する展示「美濃和紙『Mino Art Info』」が東京都港区元赤坂の豊川稲荷東京別院で開かれている。NPO法人「四つ葉のコウゾ」の主催。25カ国の芸術家約60人や市民らによる150点が展示され、多彩な和紙の魅力に触れることができる。
豊かな色彩と図柄ののれん、ふくろうのオブジェ。1枚ずつ花びらを重ねた桜……。会場では紙の風合いを生かした作品が、荘厳な雰囲気の広間に調和して並んでいる。
柔らかな手触りでありながら、丈夫な手すきの美濃和紙は、東京オリンピック・パラリンピックの表彰状にも採用された。原料のこうぞを川にさらし、何度も縦横に揺らしてすく地道な手仕事に支えられてきたが、戦後は機械化ですき手も激減。美濃市では1997年から18年間、国内外の芸術家を招き、滞在しながら創作してもらう事業をした。今回、新型コロナウイルスの5類移行後の観光需要の回復も受け、滞在アーティストらの作品から都心で美濃和紙を広めていこうと、市民有志が企画した。
「四つ葉のコウゾ」副理事長の高橋貴子さん(67)は家族が住職を務める市内の寺院で芸術家を18年間に19人受け入れた。「芸術家たちは、やわらかく光を通す美濃和紙自体がアートと言った。日本の自然や文化のすばらしさを映す紙を知ってほしい」。美濃手すき和紙協同組合副理事長の市原俊美さん(66)は「手すき技術の伝承につなげたい」と話す。24日まで、入場無料。問い合わせは四つ葉のコウゾ(0575・35・0522)。【野倉恵】
09/19 17:52
毎日新聞