愛媛3人刺殺 2年前から県警に相談 3週間前にも警察沙汰

親子3人が倒れていた現場付近を調べる捜査員ら=愛媛県新居浜市で2021年10月14日午前11時6分、本社ヘリから

親子3人が倒れていた現場付近を調べる捜査員ら=愛媛県新居浜市で2021年10月14日午前11時6分、本社ヘリから

 愛媛県新居浜市の民家で高齢夫婦と息子が刺殺された事件で、亡くなった息子が約2年前から、銃刀法違反容疑で逮捕された河野智容疑者(53)について県警に相談していたことが明らかになった。事件の約3週間前にも河野容疑者が家へ押しかけ、警察官が駆け付ける騒ぎになっていた。県警は、河野容疑者が一方的に息子への恨みを募らせた可能性があるとみて経緯を調べている。

 亡くなったのは岩田友義さん(80)と妻アイ子さん(80)、息子の健一さん(51)。13日午後5時38分ごろ、「男が押しかけてもめている」とアイ子さんが110番。警察官が駆け付けたところ、アイ子さんと健一さんは室内で、友義さんは玄関先で倒れていた。傷は複数箇所に及び、搬送先で死亡が確認された。

 県警は同46分ごろ、血の付いたナイフを所持していた河野容疑者を現行犯逮捕。「殺すつもりでナイフを持っていた」と供述した。県警は現場近くで河野容疑者が使っていた軽乗用車を押収。車で訪れ、短時間で3人を襲撃したとみて殺人容疑でも調べる。

 河野容疑者は以前、健一さんと同じ職場に勤務し、一家3人と面識があった。インターネット掲示板には2019年5月と同9月、河野容疑者の名前で健一さんを中傷するような内容の書き込みがあった。

 健一さんは同年9月と11月の2回、県警に相談。河野容疑者から「電磁波攻撃をやめろと言われる」などの内容だった。一方、河野容疑者も同年7月から20年8月にかけて4回、「電磁波を当てられる」などと健一さんに関する相談をしていた。

 事件の約3週間前、河野容疑者が岩田さん方に押しかけた際には、家族の通報を受けて署員らが訪れ、容疑者に「押しかけないように」と指導したという。

 県警は相談内容について19~20年に計5回、精神保健福祉法に基づき県の保健所に情報提供したが、その時点では自傷や他害の恐れはないと判断したという。県警は「所要の措置を講じたものと考えているが、今後の捜査で全容を解明していく」としている。【斉藤朋恵、山中宏之、遠藤龍】

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