キャバクラ接客員は「労働者」 店側が解決金で和解 さいたま地裁

さいたま地裁=平本絢子撮影

さいたま地裁=平本絢子撮影

 キャバクラで接客をする女性が労働契約で働く労働者にあたるとして、店側に深夜の割増賃金など約1100万円の支払いを求めたさいたま地裁の訴訟は、両者の契約が労働契約であったことを確認し、店側が解決金などを支払う内容で和解した。原告代理人の弁護士らが14日、記者会見して公表した。キャバクラの接客従業員を労働者と認めた事例はほかに見当たらず、極めて珍しいとしている。

 原告代理人らによると、訴えたのは埼玉県越谷市のキャバクラ店で2016年5月から19年3月まで接客従業員として働いた30歳の女性。出勤のたびにタイムカードを打刻し、退勤時間は店側が出退勤簿に記録していた。平日は午後9時から翌日午前4時まで、週末は午前5時まで働いた。

 原告側は労働基準法に定められた午後10時以降の深夜労働や、残業にかかる割増賃金(いずれも賃金の25%以上)などが支払われなかったと主張。店の都合で定刻より早く勤務を切り上げる「早上がり」になると残りの時間の賃金が支払われず、厚生費や送り代の名目で出勤ごとに各1000円が違法に賃引きされた、とも訴えた。女性が加入していた労働組合「キャバ&アルバイトユニオンOWLs」との交渉で店側は「双方の契約は雇用ではなく委任」と個人請負で働いていたと主張し、支払いを拒否したという。

 和解は、両者の契約が労働契約だったことを店側が確認したうえで、割り増し分や早上がりなどの賃金と、厚生費や送り代などにかかる解決金の支払い義務を認める内容。原告の女性は「多くのキャバ嬢は労働者なのに個人請負として扱われている。労働者として労基法の適用を受ける存在であることを示せた」、代理人の山田聡美弁護士は「店側の指揮命令を受けるなど労働者として実態は明らかだった」と話した。【東海林智】

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