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障害年金27年分支払い命令 時効、一転適用せず 高裁金沢支部

名古屋高裁金沢支部=金沢市で、岩壁峻撮影

名古屋高裁金沢支部=金沢市で、岩壁峻撮影

 時効を理由に障害基礎年金を受給できなかった石川県内の70代男性が、国に37年分の年金約1763万円の支払いを求めた訴訟の控訴審で、名古屋高裁金沢支部(蓮井俊治裁判長)は15日、訴えを退けた1審・金沢地裁判決を取り消し、約1550万円を支払うよう命じた。

 判決などによると、乳児期に家庭内の事故でやけどし、右手の指を失った男性は1988年11月ごろ、七尾社会保険事務所(現七尾年金事務所)に障害基礎年金の支給を申請。身体障害者手帳も示したが、対応した職員に「初診日が特定・証明できる書類がなければ請求できない」などと言われて受理されなかった。その後、何度か請求した結果2016年に支給が認められたが、11年3月以前の分は請求権の時効が過ぎているとして認められなかった。

 控訴審判決は「障害者手帳は初診日を明らかにすることができる書類として必要かつ十分」と指摘。「身体障害者手帳は関係ない」という職員の誤った説明で男性の請求権を妨げたことを違法と認定して時効を適用せず、1984年4月~2011年3月分の27年分の年金を支払うよう命じた。

 男性は法律上受給権が発生した1974年以降の支払いを求めたが、判決は最初の請求により受給が可能となった89年時点で請求権が残る84年以降についてのみ認めた。【菅沼舞】

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