河井元法相の被告人質問終了 現金提供趣旨では検察側と攻防続く

河井克行被告

河井克行被告

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、公職選挙法違反に問われた元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)の被告人質問が8日、東京地裁(高橋康明裁判長)で終了した。初日に無罪主張から一転して買収を認めた克行元議員だが、その後は現金提供の主目的は自身の政治基盤の強化だったと強調。票のとりまとめを依頼する趣旨は2次的なものだとした。妻の案里元参院議員(47)=有罪確定=の当選を図ることが主目的とする検察側と攻防が続いた。

 被告人質問は計8日間に及んだ。克行元議員は初日に「全般的に選挙買収の趣旨を争うことはしない」と起訴内容の大半を認めたが、2日目以降は弁護側の質問に現金提供の目的を「党勢拡大」「政治基盤強化」と述べることが増えた。

 克行元議員の説明では、自民党は広島県では岸田派の影響力が強く、当選7期となっても無派閥であるために県連会長に就けなかったという。こうした状況に「疎外感を覚えていた」とし、県連会長になるための布石の意味合いで、多くの地方議員に現金を配ったとした。案里元議員の選挙に有利になればという気持ちは「一瞬浮かんだが、主要な部分ではない」とした。

 議員辞職が認められたことを受け、20年6月の逮捕後に受け取った歳費相当額を、非営利団体に寄付する考えも明らかにした。

 一方、検察側の質問にはいらだちを隠さない場面も目立った。克行元議員の事務所から見つかった地方議員の名前と金額が記された「買収リスト」について追及されると、「党勢拡大のために誰に現金を差し上げるか頭の体操をしたものだ」と反論。案里元議員が自民党公認を得るまでの経緯を尋ねられると「覚えていない」を連発した。

 陣営関係者への現金提供については、「選挙運動に従事した報酬」とする検察側に対し、「政党支部職員としての正当な給与だ」として無罪主張を維持した。案里元議員との共謀についても「案里が地方議員に現金を渡したと聞いた記憶はない」と否定した。

 公判は4月30日に検察側の論告求刑、5月18日に弁護側の最終弁論が行われ、その後に判決期日が指定される。【遠山和宏】

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