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交際女性の同意得ず堕胎、元外科医に懲役2年 岡山地裁判決

岡山地裁、岡山家裁、岡山簡裁が入る庁舎=松室花実撮影

岡山地裁、岡山家裁、岡山簡裁が入る庁舎=松室花実撮影

 妊娠していた交際相手の20代女性の承諾を得ずに堕胎させたなどとして、不同意堕胎致傷罪に問われた岡山済生会総合病院の元外科医、藤田俊彦被告(34)の判決が24日、岡山地裁であった。当時、別にいた婚約者と結婚する直前に女性から妊娠を告げられ、中絶するよう求めたが拒まれた経緯がある。御山真理子裁判長は「身勝手かつ自己中心的で酌むべき事情はない」と述べ、懲役2年(求刑・懲役5年)の実刑判決を言い渡した。

 判決によると、被告は2020年5月17日、岡山市内の勤務先の病院で、妊娠約9週の女性を全身麻酔薬などで昏睡(こんすい)状態にした。その上で、同意を得ないまま無水エタノールを下腹部に注射して胎児を死亡させ、女性にも急性薬物中毒などの傷害を負わせた。

 被告は妊娠した女性から、認知や養育費を求められたため中絶するよう懇願した。御山裁判長は「出産すれば女性との関係が一生続くことを恐れ、婚約者との将来を優先して犯行に及んだ」と批判。「エコーで胎児の様子を見たい」と女性を誘い出し、抵抗できない状態にして堕胎させており、「女性の人格を踏みにじるものだ」と述べた。

 被告は起訴後の20年9月に懲戒解雇された。被害弁償として800万円を支払って女性と示談するなど反省の意を示したが、御山裁判長は「弁償をさほど重視する必要はない」とし、実刑判決とした。【松室花実】

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