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愛知知事リコール不正疑惑 県警が署名簿を押収

名古屋市の中川区役所で押収した署名簿が入った段ボールを車に積みこむ愛知県警の捜査員=同市内で24日午前10時39分、高井瞳撮影

名古屋市の中川区役所で押収した署名簿が入った段ボールを車に積みこむ愛知県警の捜査員=同市内で24日午前10時39分、高井瞳撮影

 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る不正署名問題で、県警は24日、地方自治法違反容疑の捜索令状を取り、県内31自治体の選挙管理委員会に提出された署名簿の押収に着手した。週内に64自治体に出された約43万5000人分の署名を押収し不正の全容解明を目指す。

 名古屋市中川区役所には午前10時20分ごろ、県警捜査員5人が入り、区選管から段ボール5個分となる約1万8000人分の署名簿を差し押さえた。署名は事件の重要な証拠となるため、任意の提出ではなく、捜索令状に基づく強制捜査の形を取ったとみられる。

 署名を巡っては、名古屋市の広告関連会社が別の会社を通じて佐賀県でアルバイトを募集し、事務局の指示で偽の署名を書き込ませていた疑惑が浮上。また、既に死亡した住民約8000人分が署名簿に含まれていたことが関係者の話で新たに判明。県警は関係者から任意で事情聴取を進めている。

 リコール運動は2019年に開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」が発端となった。昭和天皇の写真を燃やす場面がある作品などが展示されたことを巡り、芸術祭実行委員会会長だった大村知事の対応を、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長や名古屋市の河村たかし市長らが問題視し、運動が始まった。

 署名数は計43万5334人分で、解職の賛否を問う住民投票に必要な法定数の約半分にとどまったが、「不正な署名がある」との情報が相次ぎ、県選管が異例の全数調査を実施。提出された署名のうち83%にあたる約36万人分を無効と判断した。同じ人が書いたと疑われる署名が90%、選挙人名簿に登録のない署名が48%などとされ、県選管や名古屋市は容疑者不詳のまま地方自治法違反容疑で刑事告発していた。【佐久間一輝、高井瞳、太田敦子】

地方自治法の署名偽造罪

 リコール(解職請求)などで正当な理由なく他人の氏名を署名する偽造や無効な署名を有効と見せかけて選管に提出する水増し行為に関し、3年以下の懲役か禁錮、または50万円以下の罰金と規定される。

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