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「空襲被害者の救済法、通常国会での制定目指す」確認 超党派の空襲議連が総会

民間人空襲被害者の救済を目指す超党派の国会議員連盟の総会で話す元官房長官の河村建夫会長(中央)=東京都千代田区の衆院第2議員会館で2020年3月27日、後藤由耶撮影

民間人空襲被害者の救済を目指す超党派の国会議員連盟の総会で話す元官房長官の河村建夫会長(中央)=東京都千代田区の衆院第2議員会館で2020年3月27日、後藤由耶撮影

 第二次世界大戦での民間人空襲被害者の救済を目指す超党派の国会議員連盟の総会が27日、国会内で開かれた。戦後75年の節目に、開会中の通常国会で救済法の制定を目指すことを確認した。議連会長で自民党衆院議員の河村建夫元官房長官は「考え方、大きな方向性は集約されている。皆さん高齢化し、時間の問題もある。立法府、我々の課題として解決しなければならない」と話した。

 2011年に結成された議連は17年、救済法の草案を作成。空襲や艦砲射撃などで障害を負い、法施行時点で生存している人に一律50万円の特別給付金を支給することを柱とし、今国会で法案提出を目指す。ただ、戦後70年以上が過ぎ対象者の特定が難しいことや、過去に引き揚げ者らへの戦後処理の際に、政府と与党が「戦後処理問題に関する措置は全て終了」と合意したことなどが壁になり、これまで国会提出の前で足踏みしていた。

 総会では、全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)の運営委員長の黒岩哲彦弁護士が、空襲被害者は政府・与党の合意事項には含まれていないと指摘。河村会長は「これからは国会の厚生労働委員会に付託し、委員長提案(での法案提出)にすべきだ。そのために各党の手続きが必要で、できるだけ急ぎ、この国会で力を合わせたい」と法成立までの見通しを示した。また総会後には記者団に「(合意事項は)乗り越えられると思う」とも述べた。

 総会には1945年3月10日の東京大空襲で母と弟2人が亡くなり、父親が顔に大やけどを負った河合節子さん(81)も出席。「今国会で成立させてください。全国空襲連を率いてきた主要メンバーがこの2、3年に次々と他界した。残った私たちも、先は長くありません」と早期成立を訴えた。

 国は空襲で被害を受けた民間人に対し、国と雇用関係がなかったことなどから補償を拒んできた。救済法案は1970年代から80年代に計14回、当時の野党により国会に提出されたが全て廃案となった。

 一方で東京、大阪、名古屋大空襲の被害者は国家賠償を求めて提訴したが、全て最高裁で敗訴が確定している。判決の多くが「立法による解決」を促した。このため10年に国賠訴訟原告団らが中心となり同協議会を結成し、立法運動を続けてきた。【栗原俊雄】

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