各地で感染拡大 新型コロナウイルス最新情報

マスク着用強要可能?自宅待機中の給料は? 社労士有志が中小向け対応ガイド無料配布

作成したガイドブックをスクリーンに映し、解説する社労士の村里正司さん=福岡市博多区で2020年3月25日午後4時56分、平塚雄太撮影

作成したガイドブックをスクリーンに映し、解説する社労士の村里正司さん=福岡市博多区で2020年3月25日午後4時56分、平塚雄太撮影

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、全国の社会保険労務士らの有志グループが、中小企業向けに職場で感染者が出た場合の対応策や各種助成金制度などをまとめた「労務対応まるわかりガイドブック」(全31ページ)を作成した。インターネット上で無料配布しており、今後も情勢に応じて内容を更新するという。

 グループは福岡や東京、名古屋などの社労士や弁護士ら計8人。感染拡大が社会問題化した3月中旬ごろから連絡を取り合い、それぞれが企業関係者らから相談を受けた事例や2009年の新型インフルエンザ流行時の経験を基にまとめた対応策を42項目の「Q&A」形式で掲載した。

 例えば「労働者にマスク着用を強要することはできるのか?」という設問では「服務規律として着用を指示することは可能。ただし、マスク自体が不足していることもあり、着用していないことをもって懲戒処分や注意の対象とすることは難しい」と説明する。

 労働者を休業や自宅待機とした場合に給料の支払い義務が発生するかどうかは①労働者が新型コロナに感染した場合②行政側からの要請や指示による休業の場合③熱などの症状があり、感染の疑いがある労働者を会社の自主判断で休業・自宅待機させた場合④社内の感染予防のため、会社の自主判断で労働者を一斉に休業・自宅待機させた場合――の四つのケースに分けて解説。①~③は支払い義務はないが、④は「事業者の不可抗力に該当しないので労働基準法に基づき休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務が生じる」と解説している。

 作成に関わった福岡市の社労士、村里正司さん(52)は「実務で役立つように作ったので幅広く活用してほしい」と話す。当初は顧問先のみに配布していたが「情報があふれて整理されていない今だからこそ多くの人に見てほしい」と無料配布を始めた。

 ガイドブックは専用ホームページ(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeXCZogUAx6U4zY3ejKLa0EDPIHXD7Lhuj6TnStaCSdI0S1ig/viewform)にアクセスし、申し込むと入手できる。ホームページはQRコードからもアクセス可能。【平塚雄太】

新型コロナウイルス対応策の一例

Q 労働者が職場で感染した場合、会社の責任を問われることがあるのか?

A 使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命や身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をするものとされており、新型コロナに対しても使用者として事業場内の感染防止策を講じる必要がある。例えば発熱しているという自己申告があったにもかかわらず漫然と勤務させるなど、会社の「故意」または「過失」の結果、感染した場合は補償が必要になる可能性がある。

Q 労働者にマスク着用を強要できるのか。マスクの費用負担は?

A 服務規則として着用を指示することは可能だが、マスク不足もあり着用していないことをもって懲戒処分や注意の対象とすることは難しい。費用負担の義務はないが、会社として着用を徹底するのであれば、会社が支給したり費用負担したりする方が良い。

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