#酔っぱらいではありません 病気周知のパスケース作製 患者会代表ら 山形

「#酔っ払いではありません」のパスケースをカバンに付けている清野東至さん=山形市で2020年3月7日、的野暁撮影

「#酔っ払いではありません」のパスケースをカバンに付けている清野東至さん=山形市で2020年3月7日、的野暁撮影

 歩行のふらつきや話す際にろれつが回らないなどの症状が出る難病の脊髄(せきずい)小脳変性症(SCD)や多系統萎縮症(MSA)の山形県患者会で代表を務める清野東至(とうじ)さん(49)=山形県山辺町=らが、病気を広く知ってもらうためのパスケースを作った。「酔っぱらい」と勘違いされやすいため、「#酔っぱらいではありません」と記載。清野さんは「お酒は好きだが、あえて具体的な症状を書いた。病気を知ってもらい、安心して見守ってほしい」と呼び掛けている。

 厚生労働省によると、指定難病受給者証を持つSCD患者は全国に2万6487人、より進行が早いとされるMSA患者は1万1406人おり、県内はそれぞれ242人、107人いる(2019年3月末時点)。

 行政書士だった清野さんは、ふらつきや目の焦点が合わないなどの症状があり、38歳の時にSCDと診断された。同じ悩みを持つ患者と話したかったが、当時は県内や近隣に患者会がなく、16年に「県脊髄小脳変性症・多系統萎縮症・神経難病 友の会」を創設。年3回ほど約20人が集まり交流会を開き、宮城や福島からも参加がある。

 車いすを利用する自身は、車から降りる際にふらついて周囲からけげんそうな目を向けられた経験がある。友の会の仲間もタクシーの乗車を拒否されたり、ろれつが回らないため役所に電話をしても酔っ払いと勘違いされて電話を切られたりしたという。

 このため昨年10月から「酔っぱらいではありません」の頭文字を取り、反論の意味を込めて「YDAプロジェクト」と題し、友人ら8人とともに病気を知ってもらうアイテムづくりを進めてきた。パスケースはストラップ付きでカバンにも取り付けられる。清野さんは「偏見を恐れて外に出られない患者には、お守り代わりにパスケースを持って外に出て、やりたいことをやってもらえたら」と期待を込める。

 東京や大阪の患者からパスケースの問い合わせが寄せられている。4月上旬以降、クラウドファンディングで資金を募り、100個の製作と患者への無料配布を目指す。問い合わせは同プロジェクト(https://ydaproject.com/)。【的野暁】

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