殺害ほのめかす供述 福岡女性死体遺棄 逮捕の35歳男、容疑認める

古賀容疑者が村尾さんの遺体を遺棄したとされる須恵川の現場付近を調べる捜査員ら。真ん中部分に写っているのは川から引き上げられた村尾さんの自転車=福岡県粕屋町で2019年7月8日、浅野孝仁撮影

 福岡県粕屋町の須恵川で近くの会社員、村尾照子さん(38)の遺体が見つかった殺人・死体遺棄事件で、福岡県警は14日、同町江辻、土木作業員、古賀哲也容疑者(35)を死体遺棄容疑で逮捕した。「間違いありません」と容疑を認め、殺害をほのめかす供述もしているという。

 逮捕容疑は、6日夜、村尾さんの遺体を粕屋町仲原(なかばる)の須恵川に遺棄したとしている。捜査関係者によると、現場周辺の防犯カメラに何度も往復する不審な車の映像が映っていたことなどから、勤め先の車を運転していた古賀容疑者が捜査線上に浮上した。「女性を追って待ち伏せしていた」と供述しているという。

 古賀容疑者は村尾さんとは面識がないとみられる。また、村尾さんが乗っていた自転車を川に遺棄したことも認めており、県警は事件の発覚を免れようとしたとみて調べる。

 捜査関係者によると、村尾さんは6日、同町の「イオンモール福岡」で夫と一緒に自転車を購入。夫と別れ、購入した自転車でイオン近くの県道沿いのファストフード店に立ち寄り、夫に「今から帰る」と伝えた上で、午後9時37分ごろに品物を注文し、店を出た後、行方が分からなくなっていた。

 村尾さんの遺体は8日午前11時半ごろ、ファストフード店から約2キロ離れ、自宅からは約0.9キロ手前の、県道から少し入った川で着衣のままうつぶせで浮かんだ状態で見つかった。首を絞められて窒息死させられたとみられる。近くの川岸では水につかった状態で自転車も見つかった。

 知人らによると、村尾さんは夫の転勤に伴い、数年前に粕屋町に移り住み、小学生の息子を育てていたという。事件当時は福岡市内の大手生命保険会社で外回り営業を担当する傍ら、地域の防犯活動にも取り組んでいた。【柿崎誠、浅野孝仁、平塚雄太】

「唯一の死角」狙い待ち伏せか

 事件現場は、ファストフード店を出た村尾さんが自転車で通った可能性が高い県道の歩道のうち、車道側から唯一死角になっている場所だった。「待ち伏せした」と供述しているとされる古賀容疑者が、この場所を知っていた可能性もある。

 記者が事件と同じ土曜日の同じ時間帯の13日午後9時半過ぎ、ファストフード店から現場まで自転車で走ったところ、約10分かかった。すれ違う人は少ないが、車の交通量は多く街灯もあり、車道側から歩道の視界を遮るものもない。ところが、現場周辺の数十メートルだけは車道と歩道の間に植え込みがあり、死角になっていた。

 近所でも不安視する声が以前からあり、30代男性は「ジョギングの時もここだけ暗いので避けていた」と話す。とはいえ、遺体を遺棄したとみられる川沿いの砂利道にも県道から時折車が入ってくるため、45歳男性は「まさかあそこが現場とは思わなかった」と大胆さに驚く。捜査関係者によると、古賀容疑者は事件翌日以降も出勤していた。【一宮俊介、中里顕】

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