「見つけても近づかないように」 金沢市内でイノシシ出没相次ぐ

鼻を器用に使って、物を軽々と押しのけるニホンイノシシ=東京都日野市の多摩動物公園で2019年1月13日午後4時38分、梅田啓祐撮影

 金沢市内でイノシシの目撃や捕獲が相次いでいる。出産期を迎えたイノシシが子どもとともに人の住む地域に迷い込むケースが多いとみられ、専門家は「見つけても近づかず通報を」と注意を呼びかけている。【日向梓、岩壁峻】

 市農業水産振興課によると、今年度のイノシシ目撃情報は、痕跡だけのものを含め11件(13日まで)で4頭が捕獲された。例年は10件前後で、昨年度は12件のうち10件が10月に集中し、いずれも成獣だった。成獣は体も大きく、接触すれば大けがをする危険がある。

 6月13日昼には金沢星稜大(金沢市御所町)付近でイノシシの子ども2頭が目撃され、県猟友会金沢支部の会員ら12人が出動して大捕物を繰り広げた。

 午後0時40分ごろに同大職員が発見して110番通報。猟友会会員らは金腐川の川岸の茂みに潜んでいるとの情報を得て、川岸約80メートルをネットで囲み、茂みを棒でかき分けながら追い立てた。現場で捕獲に当たった同課の尾川雅樹さんは「すばしっこくて、捕まえるのは大変だった」と振り返る。

 捕獲し終えたのは、発見から約2時間後。茂みを飛び出してきたところを猟友会会員がラグビーのタックルのように飛びかかり、素手で捕まえたという。

 県自然環境課鳥獣グループによると、イノシシは4~7月が出産期。一度に4~5頭を出産するため、この時期は子連れで動く場合が多く、子どもがはぐれる可能性があるという。同グループは「イノシシは人目を避けるため、竹やぶや草むらを移動する。動いているうちに住宅街に下りて迷い込んでしまったのでは」と分析している。「見つけても何もしないこと。警察や役所に連絡してほしい」と呼びかけている。

 13日までに捕獲された4頭はいずれも「ウリ坊」と呼ばれる子どものイノシシ。捕獲の様子やその後処分されることが報道されると、市には「かわいそうだ」との声が複数寄せられた。

 だがイノシシは生後1年程度で生殖可能になり、爆発的に数が増えてしまう。田畑を掘り返したり、人に危害を加えたりする恐れがあり、殺処分せざるを得ないという。捕獲に当たった尾川さんも「見るだけなら連れて帰りたくなるほどかわいいが、仕方ない。ご理解いただきたい」と話した。

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