なぜ2度も… 政府、真摯に向き合う姿勢を 沖縄県民投票告示

沖縄県民投票が告示され、街中では若者たちが投票を呼びかけた=那覇市で2019年2月14日午後0時44分、津村豊和撮影

 またも沖縄県民が厳しい選択を迫られることになった。米軍普天間飛行場の辺野古移設の賛否を問う県民投票が14日告示された。米軍基地の整理縮小などが問われた1996年に続き、全国的にも例がない都道府県単位での住民投票だ。

 なぜ2度も県民投票を実施しなければならないのか。前回の投票で約9割が基地の整理縮小を求めたが、20年余がたっても全国の米軍専用施設の7割が沖縄に集中したままだ。そのうえ、過去の選挙で何度も辺野古移設反対の意思を示してきたのに、政府が計画を見直そうとしないからだ。

 そのような不条理に対し、「それならば単一の争点で明確な民意を示そう」と若者らが動き、9万人が賛同した結果、今回の投票実施に至った。本土の人たちもこうした沖縄の人々の思いを理解し、「日米安保の負担はどうあるべきなのか」を共に考えてほしい。

 一方、告示を迎えても議論は深まっていない。埋め立て予定海域には軟弱地盤が確認され、大規模な地盤改良工事が必要になることが判明したが、政府は「辺野古移設が唯一の解決策」と繰り返すばかり。「完成までに何年かかり、総工費はいくらになるのか」といった県民が抱く疑問への答えもなく、判断材料が少ないと言わざるを得ない。

 辺野古移設の賛否に絞って初めて示される今回の投票結果は重い。だからこそ政府は今からでも「なぜ辺野古なのか」について丁寧な説明を尽くすべきだ。「どうせ理解は得られない」としてこのまま真摯(しんし)に向き合う姿勢を放棄すれば、沖縄と本土の溝はますます深まる。【遠藤孝康】

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