藤井四段:プロ2年目で早くも「名人をこす」

朝日杯将棋オープン戦で佐藤天彦名人(左手前)に勝利し、感想戦に臨む藤井聡太四段=名古屋市東区で2018年1月14日午後4時45分、木葉健二撮影

 一昨年のプロデビュー以来、躍進著しい中学生棋士が、将棋界最高峰の名人を降した。14日、名古屋市で指された朝日杯将棋オープン戦準々決勝で藤井聡太四段(15)が佐藤天彦名人(29)に快勝。小学校の文集で「名人をこす」と記した夢を、プロ2年目で早くもかなえた形となった。

 棋戦初優勝を目指す藤井四段は1次、2次予選を勝ち抜き、16人で争うこの日の本戦に進出。午前中の1回戦で澤田真吾六段(26)を短手数で破り、準々決勝で佐藤名人との対局に臨んだ。地元の愛知県での公開対局。藤井四段の先手番で横歩取りの戦型になった。

 序盤は佐藤名人が互角以上に進めたかと思われたが、「タイトル戦という気持ちで臨んだ」という藤井四段が次第に優位に。そのまま着実にリードを広げ勝ち切ると、大盤解説を務めた木村一基九段は「完勝ですね。驚きました」と述べた。

 対局後、佐藤名人は「いつの間にか苦しくなった。藤井四段の中・終盤の指し方が的確で差が縮まらなかった」と振り返った。藤井四段は「難しい将棋だったが、名人に勝てたことは自信になりました」と控えめに喜びを語った。

 佐藤名人は一昨年、当時名人だった羽生善治竜王(47)に勝って名人を奪取し、昨年初防衛を果たした。今年4月に開幕する名人戦七番勝負で3連覇を目指している。

 藤井四段は小学4年の時、文集で「名人をこす」という夢を掲げた。記者の質問がそのことに及ぶと「当時はまだ小学生だったので、すごいことを書いたなという感じ」と照れ笑いを浮かべた。その上で「まだまだ実力的には及ばないと思っているので、名人を超えたと思っていない。これからも一層頑張っていきたい」と答え、表情を引き締めた。

 藤井四段は決勝進出をかけ、羽生竜王と2月17日に対局する。「憧れの存在でしたので、公式戦で対戦できることはうれしい。いい将棋をお見せしたい」と抱負を述べた。羽生竜王と公式戦で対局するのは初めてで、非公式戦は1勝1敗。

 藤井四段の通算成績は58勝11敗。今年度の成績は48勝11敗で勝率8割1分4厘となり、全棋士中1位となっている。【山村英樹、丸山進】

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