天皇陛下と秋篠宮さまのネクタイのストライプは“右上がり”が多い? 柄選びに現われる皇室と英王室の交流史

国賓として訪問され、天皇陛下と雅子さまが無事に日程を終えられた英国ご訪問。チャールズ国王夫妻を始め、英王室メンバーとの交流、そして両陛下の母校であるオックスフォード大学への再訪を通じ、これまで以上に日本と英国の絆が深まった。

ご訪問中は、晩餐会などの行事に臨まれる雅子さまの装いに注目が集まったが、天皇陛下のネクタイに注目してみると、英国にちなんだ柄のものをお召しになっていた。

「オックスフォード大学を訪問された際、陛下は大学の紋章があしらわれていたネクタイをおつけになっていたことが報じられていましたが、6月23日のジャパン・ハウス・ロンドンのご訪問時や、翌24日の日英友好団体主催レセプションといったほかのシチュエーションでも“英国式”のストライプ柄のネクタイをお召しになっていました。

ネクタイのストライプは、正面から向かって右上がりが“英国式”、左上がりが“米国式”と言われています。陛下は昔から“英国式”ストライプのネクタイをお召しになることが多いように感じています。また陛下と同じく英国に留学された秋篠宮さまも、右上がりのストライプのネクタイをおつけになることが多いです。

お二人とも、英国で学び自由に人々と交流されたご留学で過ごされた時間をかけがえのない経験として大切になさっておられます。英国の生活し文化にふれられたことが、ネクタイの柄選びにも表れているように感じています」(皇室担当記者)

陛下と秋篠宮さまが、“英国式”のストライプ柄をお選びになる背景には、皇室と英王室の長い交流の積み重ねも関係していると、宮内庁関係者は語る。

「日本は明治維新後、急速な欧米化を進めました。皇室はその先頭に立ち、宮中のしきたりやお召し物、お食事にいたる生活様式に、欧州の文化を積極的に取り入れていく過程で、英王室をお手本にしてきました。賓客をもてなす際のお心づかいやマナーにおいても、英国の様式が導入されています。

1869年、日本が初めて外国王族を国賓として接遇したのは、ヴィクトリア女王の次男・アルフレッド王子でした。その当時、日本側は国際儀礼に通じていないこともあって、“国歌の演奏がない”といった不手際が多く、英国側から注文があったと伝わっています。以来、皇室は英王室のしきたりや宮中の文化を学び、取り入れていったのです。

こうした皇室と英王室の交流は、やがて社会全体にも波及していきます。迎賓館をはじめとする欧風の建築、馬車、ファッションと、時の政府が推進する欧米化を大きくバックアップしていったのです」

陛下や秋篠宮さまのネクタイのストライプ柄にも、英王室に対する敬愛のお気持ちが表われていたのだ。

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