「こちらで療養されては」雅子さま 適応障害で苦悩時に届いていた「エリザベス女王からの手紙」

ついに“悲願の訪英”を果たされた雅子さま。皇室担当記者はこう語る。

「随行者のリストのなかに、主治医・大野裕医師の名前があることを知って、雅子さまのご訪英への並々ならぬ意気込みとご覚悟が伝わってきました」

雅子さまにとって、英王室との親善を深めるために、英国の地を踏むことは4年前からの大きな目標だった。

ご出発3日前の記者会見で、天皇陛下はこう述べられた。

「令和2年に英国より御招待を頂いたものの、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により延期されていた私たちの英国訪問が、この度、改めて頂いた御招待により、実現の運びとなったことを大変うれしく思っております。御招待いただいた英国政府に対して、雅子と共に心から感謝しております。

この間、御招待を頂いていたエリザベス2世女王陛下が亡くなられたことは本当に残念なことでした」

生前の対面こそかなわなかったものの、雅子さまにとってエリザベス女王は目標であり、また恩人でもあった。

’22年12月、59歳のお誕生日に際しての文書で、次のようにつづられている。

《長年にわたって人々を導かれた女王陛下のお心の深さや知性、そして、その御存在の大きさを改めて感じ、心からの敬意と哀悼の気持ちを抱きました》

■雅子さまに英国でのご静養を勧めていた女王

英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんによれば、

「英国では、雅子さまが外務省に勤務されていたことも高く評価されていて、そうした方が皇室という特別な環境に入られ、適応障害になられたことに同情的な声が上がっていたのです。エリザベス女王も同じように長期療養中の雅子さまを気にかけていました。

’04年に雅子さまが適応障害であることが発表されてから2年後の’06年夏に、天皇ご一家はご静養のためにオランダを訪問されています。実はオランダ王室からのご招待に前後して、エリザベス女王もご一家を英国へ招待していたという情報を耳にしたことがあります。

『しばらくこちらで療養されてはいかがでしょうか』と、雅子さまをお手紙で誘われたというのです。そういった過去もあったからでしょうか。天皇陛下が即位されると、女王はまっさきに両陛下を改めて国賓として招待したのです」

“エリザベス女王からのお手紙”は、適応障害でご公務がままならず、自信を失いかけていた雅子さまにとって、望外の喜びだったことだろう。

両陛下の訪英スケジュールは、6月22日から29日までの8日間。雅子さまはどの行事に臨まれるか、かなり以前から緻密に検討されたようだ。

「今回の日程で“最大の目標”は25日の一連の行事をまっとうすることといえます。この日は、騎兵隊や歩兵隊も参列しての歓迎式典、国王夫妻との馬車パレード、バッキンガム宮殿での国王主催の午餐会、同じくバッキンガム宮殿での国王夫妻主催の晩餐会など、華麗かつ重要な行事が続きます。

この日に備えて、到着直後の23日・24日は雅子さまのお出ましは予定されていませんでした」(前出・皇室担当記者)

26日以降も、“天皇陛下お一人”の予定とされている行事もあるが、雅子さまは、1つでも多くの行事に臨むことを強く願われている。

前出の皇室担当記者が続ける。

「昨年のインドネシアご訪問には、主治医の大野医師は随行していませんでした。もともとは随行員リストに載っていたようですが、直前になって随行は必要ないという判断が下されたそうです。“主治医不在”で海外ご訪問を完遂したことは、雅子さまにとって大きな自信となったことでしょう」

それにもかかわらず、なぜ英国に大野医師が随行することになったのか。

「もちろんインドネシアと英国では、移動に要する時間も異なりますし、日本とは8時間の時差があるため、お体への負担も少なからず生じます。

ただ、そうした理由だけではなく、雅子さまは、ご体調の維持に万全を期し、現在お出ましにはならない予定の行事にもっと参加されたいとお考えのようです」(前出・皇室担当記者)

精神科医の香山リカさんは次のように語る。

「いまはオンラインでの診療もありますし、大野裕先生の英国への随行は“絶対に必要”というほどではなかったはずです。

しかし英国では、インドネシア以上の注目が集まります。緊張を強いられる場面もあり、お疲れになってしまうこともあるでしょう。そのようなときに、大野先生のアドバイスや笑顔により、安心感を得ることができると思います。

雅子さまが、いまも大野先生を頼られているということではなく、万が一に備えて、またさらに英国ご訪問を充実させるためのご決断とお見受けします」

■“ぶら下がり取材”に雅子さまもご参加か

渡英前の段階では出席が予定されていないスケジュールのなかで、雅子さまが特に重視されているのは、27日だという。

「天皇陛下がウィンザー城を訪問し、英国王族用の礼拝堂『聖ジョージ礼拝堂』で、エリザベス女王と夫・フィリップ殿下の墓に供花されます。

もちろんご体調次第ということになりますが、雅子さまも陛下とごいっしょに、気にかけてくださっていた“恩人”であるエリザベス女王にご挨拶し、これまでの感謝をお伝えしたいとお考えなのです」(前出・皇室担当記者)

さらに英国ご滞在中には、日本では珍しい“ぶら下がり取材”が設定されているのだ。ぶら下がり取材とは、記者が取材対象者を取り囲んで行う取材形式のこと。

「インドネシアご訪問の際、天皇陛下は、仏教遺跡・ボロブドゥール寺院を視察された後、記者たちのぶら下がり取材に応じられ、インドネシアに関する所感なども述べられました。

時間はそれほど長くはないですが、実質は“ミニ記者会見”ともいえます。今回の英国でも陛下は、ぶら下がり取材に応じられる予定です。記者たちの間では、“雅子さまも取材に応じてくださるのではないか”と期待が高まっているのです」(前出・皇室担当記者)

雅子さまが最後に記者会見に臨まれたのは’02年12月、ニュージーランド・オーストラリアご訪問前のことだった。

昨年6月のご成婚30周年、昨年12月の60歳のお誕生日、そして今回のご訪英前と、最近も何度か期待されたタイミングがあったが、実現はしなかった。バッキンガム宮殿での晩餐会など、国賓としての大任を終えられた後なら、雅子さまもリラックスされていることだろう。

「顔見知りの記者もいるでしょうし、現地でかたい雰囲気でなければ、雅子さまにとっても今回のご招待への感謝や、エリザベス女王への思いをお話しになるよい機会になると思います」(香山さん)

天皇陛下に支えられながら闘病20年……。雅子さまが、英国の地で万感を込めて語られるお姿は“快癒会見”ともいうべきものになるに違いない。

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