すでに飛んでる!今年の花粉は早い、症状が長引く…対策は「鼻にごま油」

目がかゆく、鼻づまりに苦しむ花粉症の季節が間もなくやってくる。ただし、今シーズンは要注意。

今年は、すでに花粉が飛散しているというのだ。ウェザーニュースが1月4〜5日におこなったアンケート調査では、《花粉をけっこう感じる》が3%、《花粉をちょっと感じる》が24%と、約3割が花粉の症状を感じているという。

さらにウェザーニュースの予想によると、早くも1月下旬には九州や東海、関東の一部でスギ花粉の飛散が始まり、東京の飛散開始時期は例年より2週間ほど早い2月上旬になるというのだ。飛散量も、広範囲で平年並み(過去10年の平均)〜平年を上回る予想に。

たなか耳鼻咽喉科の田中伸明院長が語る。

「花粉の飛散時期や飛散量は、前年の日射量や雨量などが関係し、1月からの積算温度が400度となったころから飛散が始まるといわれています。記録的な暖冬のため、例年よりも早くに始まってもおかしくありません」

ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニックの永倉仁史院長も同じ見方だ。

「昨年は秋に飛散する花粉の量も多かった。また正月にも花粉が観測されています」

こんなうれしくない予想が的中すると、今シーズンは長期間、花粉症に悩まされることになる。

「花粉症の長期化によって、さまざまな症状が起こりやすくなると思われるので、注意が必要です」

こう警鐘を鳴らすのは、きたにし耳鼻咽喉科の北西剛院長だ。

「一つのアレルギー反応が現れると、体の別のアレルギー反応も高まる傾向があります。花粉症が長期化することで、咳ぜんそく、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのほかのアレルギー症状が出たり、悪化する危険があるのです」

同様の理由で、口腔アレルギー症候群などにも要注意だ。

「たとえば杉の花粉にアレルギーがある人が、トマトを食べるとアレルギー反応を起こしたりすることを口腔アレルギー症候群といいます。通常は口にかゆみが出る程度ですが、ごくまれに強く反応が出ると、時には死に至るアナフィラキシーショックを起こすこともあるのです」(北西さん)

花粉症によって口呼吸が増えることで起こる疾患もある。

「鼻には、フィルターの役割を果たす鼻毛や粘膜の繊毛があります。そして鼻呼吸をすることで、外気を加温・加湿できます。つまり鼻呼吸は空気清浄機の役割をするわけです。ところが花粉症の鼻づまりで、口呼吸に切りかわる。するとかぜなどの感染症、慢性上咽頭炎、へんとう炎などのリスクが高まることになります。同時に、夜間の鼻閉による不眠や睡眠障害を訴える人も多いです。睡眠不足によって、免疫力の低下などが考えられます」(北西さん)

強く鼻をかむことも、別の疾患を引き起こす因子となる。

「鼻と耳は耳管という器官でつながっています。とくに子供に多いのですが、鼻をかむことで耳管を通してウイルスや細菌が耳に入り込み中耳炎を引き起こすことがあります」(田中さん)

また、鼻や目のまわりにある副鼻腔という空洞に膿がたまる副鼻腔炎を引き起こすことも。

「一般的に顔の圧迫感、微熱、ニオイの強いドロドロとした鼻水がたまってしまいます」(田中さん)

さらに、例年よりも早くに始まったインフルエンザの流行はまだまだ続く見込み。コロナ患者も徐々に増えてきている。こうした感染症と花粉症のダブルパンチが過酷な症状を引き起こすことも。

「インフルエンザやコロナで鼻の粘膜や気道を傷めると、乾燥する時期でもあるし、過敏になります。そこに花粉が付着することで症状が増してしまいます」(永倉さん)

「インフルエンザやコロナは、粘膜の働きが悪くなることで、咳が持続しやすくなります。そこに花粉の刺激が加わると、咳が長引いてしまったり、悪化してしまうリスクがあります」(田中さん)

花粉シーズンが長期化すると、花粉症の悪化ばかりでなく、ほかの疾患を引き起こしたり、重症化させてしまうリスクが高まるのだ。

こうした状況に陥らないためにも、早めの対策が必要だ。

「花粉症は症状がひどくなってから治療をする人が多いですが、花粉が飛び始め、まだ自覚症状がないうちから鼻の粘膜はダメージを受けています。その初期段階から治療をすることで症状を和らげることができます」(田中さん)

もちろん、シーズン中は物理的に花粉をブロックするのも重要だ。

「マスクは、ワイヤ入りや立体型で頰にフィットするタイプだと、花粉を6分の1まで減らすことができます」(永倉さん)

さらにマスクの裏側に化粧用のコットンを貼り付ける“インナーマスク”で、99%の花粉がカットされるという(環境省調べ)。

「息苦しいときはコットンの厚さを半分に。ミント系や柑橘系のアロマを数滴垂らすことで、息苦しさを緩和できます。セサミオイル、太白ごま油などを鼻腔内に数滴滴下するか、鼻腔入口に塗布すると、粘膜の状態を改善したり、オイルなどが異物をキャッチして、粘膜への抗原侵入を防いだりします」(北西さん)

花粉シーズンに備えておこう。

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