死期が近い「犬」 どんな行動をするの? 飼い主にできることは? 動物看護師が解説

死期が近づいた犬にできることは?

死期が近づいた犬にできることは?

 高齢になった犬は抜け毛が増えたり、口臭が出やすくなったりするといわれています。死期が近づいた犬は、どのような行動を示すことが多くなるのでしょうか。その際、飼い主はどのようにサポートしたらよいのでしょうか。動物看護師のfujimaruさんにお聞きしました。

中型以上の犬は「床ずれ」に注意

Q.死期が近づいた犬はどのような行動を示すようになるのでしょうか。

fujimaruさん「おおむね次のような行動がみられると思います」

・食欲が減る、食べ物を飲み込みづらくなる
・散歩に行きたがらない
・いつも眠っている
・毛並みのツヤが悪くなる
・排尿や排便がうまくできない

また、「猫は死期が近づくと姿を見せなくなる」とよくいわれますが、犬の場合は反対に飼い主のそばを離れなくなったり、目や耳が悪くなり、鳴いて飼い主を呼んだりします。

Q.高齢になった愛犬のケア方法について、教えてください。

fujimaruさん「犬種によって、遺伝的にかかりやすい病気などがあるため、愛犬がどんな病気にかかりやすいのか事前に知っておくというのは非常に重要です。

例えば、柴犬のような中型以上の犬で、寝ることが多くなった老犬の場合、『褥瘡(じょくそう)』という、いわゆる床ずれの症状が起こりやすくなります。そのため、犬のお気に入りの場所にはマットを敷いて擦れを軽減するという対処法が有効ですね。

また、犬種にかかわらず、歯周病が寿命を縮める原因になることもあります。そのため、犬が若いうちから歯磨きをしっかり行ったり、外見に違和感がないかを常にチェックしたりしておくと安心だと思います。

日常生活においては、『シニア用のフードに切り替えて様子を見る』『滑り止めなどを付けて脚に負担がかからないようにする』といった対応も有効ですね」

Q.死期が近づいた愛犬とのお別れに備えて、飼い主がすべきことはありますか。

fujimaruさん「まずは、かかりつけの病院で治療方針を明確にしましょう。最大限の治療を進めるのか、それとも犬の体力や病状を考慮して自然に任せるのかによって、飼い主の過ごし方も大きく変わります。それによって、みとる場所も変わってきますよね。

家族全員で自宅で最期を迎えてあげたいのか、病院で適切な処置をしてもらうために預けることを優先するのか、といったことを事前に考えておきましょう。

火葬や供養の方法もあらかじめ決めておくと良いですね。葬儀を行うには予約をしなければならないことが多く、プランやオプションもさまざまです。事前に連絡を取ってどのようなお別れをするのか決めておきたいですね」

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 長く一緒に過ごしてきた愛犬とお別れをしなければならないのは、大きな悲しみと苦痛が伴うことでしょう。しかし、後悔なくお別れができるようにするためには、事前にしっかり準備する必要があります。限られた残り少ない時間を、より有意義に過ごせるように、飼い主としてできることをしてあげられると良いですね。

オトナンサー編集部

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