自覚症状なく“動脈硬化”、“脳梗塞”に 「脂質異常症」とは? 対処法を医師に聞く
健康診断で「脂質異常症」と診断され、困ったことはありませんか。そもそも、脂質異常症とはどのような状態なのでしょうか。脂質異常症を放置した場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。脂質異常症の原因となる食べ物のほか、治療方法について、DSクリニック新宿(東京都新宿区)院長で医師の林博之さんに聞きました。
減量で改善することも
Q.そもそも、脂質異常症とはどのような状態なのでしょうか。
林さん「脂質異常症とは、脂質代謝に異常が発生している状態のことです。総コレステロール値が220mg/dl以上になると、脂質異常症と診断されます」
Q.脂質異常症となる原因について、教えてください。
林さん「主に食生活の乱れが原因です。特に卵や乳製品、肉類、魚卵の過剰摂取のほか、アルコールの多飲により、中性脂肪の値が高くなります。そのような乱れた食生活を継続することで肥満になりますが、その過程で脂質異常症となるケースがほとんどです」
Q.健康診断で脂質異常症と指摘されたにもかかわらず放置した場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。
林さん「脂質異常症は自覚症状がないものの、動脈硬化を引き起こす要因の一つになるため、注意が必要です。動脈硬化によって発生するリスクのある代表的な疾患は『脳梗塞』『脳出血』『心筋梗塞』『狭心症』『大動脈瘤(りゅう)』『閉塞性動脈硬化症』などです」
Q.脂質異常症は治るものなのでしょうか。
林さん「総コレステロールや中性脂肪などの数値が高過ぎる場合、保険診療の対象となります。医師の診療後、処方薬を服用し、経過観察する方法もありますが、まずは食生活を見直すことや運動の習慣をつけることが重要です。ダイエットもその一つでしょう。当院の場合、患者が投薬ではなく、ダイエットのみで脂質異常症が寛解したケースが多いです」
オトナンサー編集部
08/31 09:10
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