「年の差婚」は芸能界だけにあらず! 妻たちが明かす“10歳以上差”の年上夫で「よかった点」「イマイチな点」

高橋一生さん、飯豊まりえさん(2022年3月、時事通信フォト)

高橋一生さん、飯豊まりえさん(2022年3月、時事通信フォト)

 5月16日、俳優の高橋一生さんと飯豊まりえさんが結婚を発表しました。人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品が原作のNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」シリーズでの共演がきっかけとなったビッグカップルの誕生に、SNS上では「ジョジョ婚」というワードがトレンド入り。祝福の声が多数上がりました。

 もう一つ、注目を集めているのは二人の年齢です。43歳の高橋さんと、26歳の飯豊さんは「17歳差」。一般的に、妻と夫の年齢差が10歳以上あると「年の差婚」と呼ばれます。時にネガティブな意見が多数を占めることもある「年の差婚」ですが、今回の結婚発表では「全然17歳差に見えない」「意外に年離れてるんだ」「違和感ゼロ」「一生さん若く見えるな〜」など驚きもありつつ、ポジティブな声が多く見受けられます。

 芸能人の「年の差婚」がニュースになるたび、「芸能界での出来事だから」と思う人もいるかもしれませんが、一般社会にも、年の差を気にすることなく理想の結婚スタイルを維持している夫婦はたくさんいるようです。「恋人・夫婦仲相談所」所長である三松真由美さんが、「年の差婚」夫婦のリアルについて伝えます。

3人の女性に聞いてみると…

 年の差婚について、婚活支援サービスを展開するパートナーエージェント(東京都品川区)が以前、興味深い調査を行っていました。

「相手が年上の場合、何歳の差まで許容できるか」を聞いたところ、「相手が10歳以上、年上でもいい」と回答した女性は「25~29歳」で12.7%。それ以外の世代で14.5%と、それなりの数字でした。

 一方、男性の方はというと、「10歳年上でもいい」派はわずか1.8%。つまり、男性は年上女性との結婚について「イマイチ」と感じ、女性は自分の年より10歳の幅があっても「まあいいか」と感じやすいということでしょう。

 結婚相談所のスタッフに取材すると、50歳以上の熟年世代の男性が相手に求める条件には「若い人」「40歳以下」が目立つそうです。男性はいくつになっても年下の女性を好む傾向にあります。

 以前、結婚相談所の会報でコラムを書いていたつながりで、熟年男性の本音もいろいろ聞きました。すると、「食事を作ってほしい」「健康管理をしてほしい」「病気になったら看病してほしい」「子どもを産んでほしい」…揚げ句の果てには、「ナース経験者がいい」。ええ! 年下パートナーに求めるものはそれですか! と驚いたことがあります。

 では、「夫が妻より10歳以上年上」というパターンは実際どうなのでしょうか。3人の女性に聞いてみると、「よかった点」を本当にうれしそうに話してくれました。

 暁美さん(仮名、30代)、莉奈さん(仮名、40代)、景子さん(仮名、40代、事実婚)との会話で聞いた「年上夫でよかった点」は次の通りです。

【人生経験が多い】

・冠婚葬祭や四季折々のお付き合いのマナーをよく知っているので、いちいちネットや本で調べなくても済む
・「投資をして、将来設計をしなくちゃダメ」と教えられて、初めて金融の仕組みが分かった
・仕事に関して、これまで惰性でやってきたことを「こうすればもっとよくなる」と上司目線で教えてくれる
・釣りやドライブなど、これまで興味がなかった趣味を教えてくれて、人生が変わった

【お互いの家族に気遣いをしてくれる】

・私の父と話が合うみたいで、実家との関係がスムーズ
・夫の両親の介護のことを義兄夫婦と分担して書類にするなど、事前対策をしてくれた

【経済的に余裕がある】

・マンションのローンを払い終わっていて安泰
・貯金があるので安心。元彼はいつもお金に悩まされたので、つい比べてしまう

【ケンカなど、ぶつかることが少ない】

・注意されることはあっても、ケンカにはならない
・姉妹しかいない私が兄を慕うように夫に甘えてしまうため、「よしよし」と受け止めてくれる展開になり、口論にならない

「年上夫でイマイチな点」は?

 一方で、「年上夫でイマイチな点」も聞いてみました。

・夫がいつも「諭す」口調のため、こちらが「はいはい」とつっけんどんに返すときがある
・「ボルダリング体験がしたい」と言ったら「一人で行って」と言われた。アクティブなスポーツは無理らしい
・夜の生活が足りない
・夫が認知症になるなど想像していないが、もしそうなったら、介護が大変かなという心配が少しある
・流行のゲームやSNSは全く疎いので、つまらないときがある
・平均寿命を考えると、夫が先に逝き、私が残されるのは寂しい

 10歳以上の「年の差婚」で夫が年上の場合、目立ったマイナス点は「将来の不安」です。こればかりは事前対策をするしかありません。子どもの大学進学や結婚などで費用がかかる時期に定年、という事態も予想されるでしょう。教育資金や介護費用など、率先して考えてくれるパートナーだと安心です。

 今回のヒアリングで、「夜の営みに関しては不満」という声が出ましたが、私の周りの「年の差妻」は少し違います。

「さすが、熟年はすごくいい。前の彼(同世代)はせっかちで“俺さま”だったけど、夫は丁寧に扱ってくれて、一回一回を大事にしてくれる」

「『バブル期に遊んでいた』が夫の自慢話だけど、確かにテクニックはいろいろ持っている」

「もちろん、ED。でも、それをカバーする技を編み出している。滋養強壮ドリンクも試すし、問題ない」

「バリエーションが豊富。あれは20代にはかなわない経験値だと思う」

 このような称賛の声をよく聞きます。寝室事情に関しては、年齢による体力の衰えは避けられませんが、30代でも妻を愛する技術の向上を放棄し、妻に文句を言われる夫は多いです。事実、「全く満足していません」「セックスレスを何とかしたい」という妻からの悩み相談が、次々と私の相談所に届きます。夜の営みに関しては年齢問わず、やる気と妻への愛情表現の問題です。

 注意すべき点もあります。男性はプライドが高い人が多いので、そこを傷つけがちな妻だと関係がギクシャクしてきます。「10歳も人生の先輩。体力以外はかなわない」と常に尊敬の念を持って過ごせば、穏やかに暮らせるでしょう。

 年の差婚ならではのプラス要素を享受し、“夫婦ラブラブ永続化”に努めようではありませんか。「リビングだけでラブラブ」という偏った関係でなく、もちろん夜のシーンも統括する姿勢を忘れてはいけません。

 ちなみに、私は「逆年の差婚」で、夫より20歳上です。夫をとても尊敬し、周囲に夫のことを褒めちぎっています。年を重ねるごとに愛を熟成しているといっても過言ではありません。

「年の差婚」に踏み切るか迷っている皆さん、愛に年の差など関係ありません。そんな悩みはナンセンスです。固定概念を外さないと“グレートラブ”な夫婦にはなれません。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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