【年収300万円】「住宅ローン」借入額の目安はどのくらい? FPに聞いて分かった“リアルな金額”

年収300万円の人の「住宅ローン」はどうなる?

年収300万円の人の「住宅ローン」はどうなる?

 マイホームの購入時に「住宅ローン」を組む場合、年収と照らし合わせて借入額を決める必要があります。しかし、借入額を誤ると、返済の負担が大きくなり過ぎてしまい、長期にわたって家計を圧迫する可能性も出てきます。そこで、住宅ローンにおける年収ごとの借入額の「目安」について、ファイナンシャルプランナーの齊藤颯人さんに教えていただきました。今回は「年収300万円」のケースです。

年収倍率の目安は「5~7倍」程度

Q.「年収300万円」の人が住宅ローンを申請する場合、審査はどのような点が重視されますか。

齊藤さん「住宅ローンの審査は『年収だけが全て』というわけではなく、他にもさまざまな要素や条件を鑑みながら結果を出します。

例えば完済予定時の年齢や、職業および勤続年数、担保の有無、健康状態などが一般的です。この他にもさまざまな要素から、『定められた期間で返済する能力があるかどうか』という点を総合的に判断します」

Q.年収300万円の人が住宅ローンを借りたいと思った場合、どの程度の借入額が目安でしょうか(他所ローンなしの場合)。

齊藤さん「ローンを利用する金融機関によって差異はありますが、『とにかく最大限度額まで引き上げたい』と無理を言えば、2500万円程度になるでしょうか。ただし、ここまで金額を引き上げてしまうと、年間の返済額が年収額の8倍程度にまで及ぶ計算になります。

住宅ローン借入額を考える目安の一つに『年収倍率』というものがあり、借入額が年収の8倍になってしまうのはややハイリスクです。たとえ限度額ギリギリで審査に通ったとしても、返済までの長い期間、家計が苦しくなるのは避けたいところです。

日々の生活と返済を両立させるには、年収倍率を5~7倍程度までにとどめるのが目安といわれています。年収300万円の場合、合計の借入額でいうと、1500万~2100万円程度が理想ですね。

また、一般的に住宅購入の際は10〜20%程度の頭金を用意することが多く、頭金+住宅ローン借入額の合計額で物件購入の資金を用意することになります。頭金は、自力で用意する資金のことです。貯金が多くあるなど、頭金を多く用意できるのであれば、より高い物件を購入できるでしょう」

Q.借入額の目安を踏まえた上で、どのような条件の物件を購入できるでしょうか(関東圏のケース)。

齊藤さん「家族構成やライフスタイル、譲れない条件などはそれぞれあると思いますが、ここでは『ファミリー層で3LDK程度の間取りを希望している人』という想定で進めます。

年収300万円の場合、先述したように最大2500万円程度の物件が現実的だと思います。ただし、3LDKの間取りでは郊外でも新築はなかなか厳しいでしょう。一戸建てでも、4000万円以上は視野に入れないといけないレベルになります。もしくは、最寄り駅から1時間以上かかるような土地や、車での移動が前提となる数十年前に開発されたニュータウンなどの物件では見つかるかもしれません。

具体的なエリアでいうと、東京都青梅市や秦野市、埼玉県北部、千葉県南西部などの中古物件であれば可能性はあるでしょう」

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 家は人生の中で特に大きい買い物ですから、予算に限度があっても、後悔しないようにしたいもの。「プロのアドバイスが聞きたい!」という人は、ファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法ですね。

オトナンサー編集部

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