「コロナ太り」で糖尿病リスク増! 普段の食事で気を付けるべきことは?

「コロナ太り」になっていませんか?

「コロナ太り」になっていませんか?

 なかなか収束のめどが立たない新型コロナウイルス。3度目の緊急事態宣言も延長され、「コロナ太り」に悩まれる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、コロナ太りでリスクが高くなる糖尿病や、血糖値が高めの人が普段の食事で気を付けるべきことを、管理栄養士の有水友美さんに聞きました。

食事の最初に食物繊維を

Q.コロナ太りで、糖尿病や血糖値を気にする人が増えました。そもそも、糖尿病とはどういう病気なのでしょうか。

有水さん「糖尿病とは、血糖値を下げる働きをするインスリンというホルモンが不足したり、その効き目が弱くなったりすることで、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増加してしまう病気です。自覚症状はほとんどありませんが、次のような症状があれば、要注意です。例えば、のどが渇く、頻尿、トイレで尿から甘いにおいがする、傷の治りが遅い、疲れやすい、目がかすむなどです」

Q.糖尿病や血糖値が高めになったとき、日常の食事で気を付けるべきことは。

有水さん「糖尿病や血糖が高めの方には、食事の最初に食物繊維(特に水溶性食物繊維)を多く取ることをおすすめしています。その理由は、水溶性食物繊維は水分と一緒になるとゼリーのようにゲル状になるので、腸での糖の吸収を緩やかにして、血糖値の急上昇を防いでくれるからです」

Q.水溶性植物繊維を取るには、具体的にどのような食材がよいのでしょうか。

有水さん「大麦やライ麦、オートミール、ローストアマニの他、昆布やワカメなどの海藻、コンニャクなどには比較的多めに水溶性植物繊維が含まれています。水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維ですから、果物や野菜にも含まれていますが、あまり多くはないため、食材から常に多く摂取することはなかなか難しいのが現状です」

Q.日常生活でできる、糖尿病を防ぐためのポイントはありますか。

有水さん「大きく3つあります。(1)食べる順番(2)ゆっくり時間をかけて食べる(3)甘い清涼飲料水は飲まない、です。

まずは食べる順番です。水溶性食物繊維などの多いものをできるだけ最初に、全部食べることをおすすめします。外食が多いなど、日常の食卓で食物繊維を多く取ることが難しい場合、特定保健用食品などの補助食品(難消化性デキストリンやグアーガム分解物の粉末)や難消化性デキストリン入りの市販飲料などを活用するのもよいでしょう。できるだけ、食品に近い補助食品を選ぶのがおすすめです。

次に、お肉などのたんぱく質や油のあるものを食べてもよいですね。そして、血糖値が上がりやすい、糖質の多い料理は食事の中盤以降に食べるようにしましょう。水溶性食物繊維はコレステロールの吸収も緩やかにしてくれるので、コレステロールも気にされている方には一石二鳥です」

Q.「ゆっくり時間をかけて食べる」について具体的に教えてください。

有水さん「実は全く同じ料理でも、時間をかけて食べることで血糖値の急上昇が抑えられます。コース料理でも、1時間かけて食べたら、それほど血糖値が上がらなかったという研究データもあります。つまり、早食いをしてしまうと糖が一気に吸収されやすく、血糖値が急上昇してしまうため、最低20分以上かけて食べることをおすすめします」

Q.「甘い清涼飲料水は飲まない」について具体的に教えてください。

有水さん「特に原材料に『果糖ブドウ糖液糖』『ブドウ糖果糖液糖』などの記載があるものは要注意です。血糖値を上げるのはブドウ糖です。通常の砂糖の場合、ブドウ糖+ショ糖の2種類の単糖が結合しているので、分解・吸収されて血糖値が上がります。『炭水化物抜きダイエット』とよく聞きますが、実は、炭水化物は多糖類で、分解するのに時間がかかるため、砂糖よりは血糖値が上がりにくいと言えます。

ところが、果糖ブドウ糖液糖はブドウ糖そのものが入っていることと、液体であるためにそのまま消化せずに吸収できてしまうため、体内への吸収がよく、空腹時に飲むと血糖値が急上昇してしまいます。血糖値が急上昇すると、血糖を下げるインスリンがすい臓から出て、糖を細胞内に取り込むため、血糖値が高ければ高いほど太る原因の一つになってしまうのです」

ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー

Q.その他、注意すべきことはありますか。

有水さん「血糖値を下げるためや痩せるために食事を抜いたり、極端に炭水化物を抜いたりしないことです。先述の通り、近年は低糖質ダイエットもはやっており、実際に低糖質にすることで、体重が減少する方がいるのも事実です。ただ、3カ月など短期的に行うならよいですが、長期的に極端に糖質を減らしすぎることを続けてしまうのはおすすめしません。

なぜなら、ブドウ糖は脳のほぼ唯一のエネルギー源と言われている、とても大切なものだからです。人間は本能的に脳を守ろうとします。大切な脳のほぼ唯一のエネルギーであるブドウ糖の原料になる糖質を取らないということは、体に相当の負担をかけることになるといえるでしょう。『脳のエネルギーが不足する! どうにかしなくちゃ!』と危機感を覚えて、体の中でブドウ糖を作り出し、かえって、血糖値が上がってしまうなど逆効果になることもあります」

Q.最後にまとめをお願いします。

有水さん「太ることや糖尿病を予防するために、血糖値の急上昇を抑える食事の取り方をすることはとても効果的です。一方で、炭水化物など糖質の量を減らすのはよいですが、抜くことはおすすめしません。少なくとも白米100グラム程度は毎食取ることをおすすめします。白米の代わりに他の炭水化物(イモ類、トウモロコシ、カボチャなど)でもよいでしょう。

もし、糖尿病になっていて、悪化すると血糖を体内に取り込めなくなり、体重が減ることもあります。その場合は、痩せてきたから健康になったというわけではないので、注意が必要です。気になる方は一度、専門の病院で診てもらうことをおすすめします」

オトナンサー編集部

ジャンルで探す