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忘年会、クリスマス、正月…コロナ禍の「会食」で注意すべきことは?

コロナ禍での会食、注意点は?

コロナ禍での会食、注意点は?

 新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向にあり、11月中旬以降、東京都や北海道、大阪府などでは1日当たりの新規感染者数が過去最多を更新しました。そんな中、心配なのが冬の会食です。特に、12月は忘年会やクリスマス、1月は正月や新年会で家族や友人、会社の同僚と会食する機会が増え、感染リスクが高まります。また、その際に、鍋やおせちのように直接、自分の箸でつまんだり、取り箸を数人で共有したりして食べる料理が提供されることもあり、特に注意が必要と思われます。

 コロナ禍で会食をする際、どのような対策が必要なのでしょうか。医療ジャーナリストの森まどかさんに聞きました。

食事のときは大声を出さないこと

Q.コロナ禍で、家族や友人、会社の同僚と食事をする際、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。

森さん「感染が拡大している地域では、特に、同居の家族以外との会食は『濃厚接触』の可能性を高めます。まずは可能な限り少人数にすることが重要です。その上で、基本的な感染対策を徹底してください。

また、一般社団法人日本フードサービス協会などが作成した『外食業の事業継続のためのガイドライン』などのガイドラインに基づいた感染予防対策に取り組んでいる店を選ぶことを心掛け、換気ができているか、客のグループ同士が近づき過ぎていないか、大声で話しているグループがいないかなどをしっかり見極めるようにしましょう。

参加する人は、体調が悪い場合は参加しないことを互いに確認し合うことが前提です。その上で、あらかじめ決めた時間で切り上げる▽会食前やトイレに行ったときには手洗いや手指消毒をする▽食事の合間は大きな声で話さないようにし、食事が終わったらマスクを着用する▽なるべく真正面に座らず対角線上に座る▽距離が近くなる大皿料理や鍋料理は避ける――などに注意が必要です」

Q.コロナ禍でも、忘年会や新年会を実施する予定の会社もあるようで、会食を控えるのが難しいケースもあります。その場合、主催者や参加者はどのようなことを心掛けるべきでしょうか。

森さん「感染が拡大している地域での大人数の宴会は、開催自体を慎重に検討することをおすすめします。開催する場合でも、個々の考え方や体調、あるいは重症化リスクが高い家族(高齢者、持病がある人)と同居しているなどの理由で参加を見送る人がいることに理解を示し、参加を強制しないことが重要です。また、社外の人を招くなど参加者の範囲を広げるのも避けた方がよいでしょう。

当日は主催者から、手洗いや食事以外の時間のマスク着用を促し、寒い時期でも小まめに換気する▽ゲームやカラオケなど大人数で声を上げて盛り上がるような企画を控える▽3密(密集、密接、密閉)にならないよう注意を払う▽2次会はせず、長時間飲み続けない――など基本的な感染対策を徹底することが重要です」

Q.これからの時期はクリスマスケーキやおせちなど他の人と分け合う料理を食べる機会が増えますが、注意点はありますか。

森さん「人と分け合うときに注意が必要なのは食べ物そのものよりも食べる環境です。ウイルスが付着した食べ物を食べても、消化される過程での感染リスクはほとんどないと考えられています。それよりも、鍋やおせちを『囲む』ことによって互いの距離が近くなり、会話によって飛沫(ひまつ)が飛び交うことが大きな感染リスクとなります。

最初に料理を取り分けてから食べ始めるなど、1つの鍋やお重、大皿を皆でつつき合うことはしないようにしましょう。クリスマスケーキを分け合うときも、クリスマスソングを歌ったり、火を付けたろうそくを吹き消したりすることは飛沫が飛ぶため、やめた方がいいです」

Q.では、取り箸やおたまなどの器具や調味料、酒瓶などもできるだけ共有しない方がいいのでしょうか。

森さん「取り箸やおたま、調味料、酒瓶などを共用すると接触感染のリスクを高めます。食事のときはマスクを外している時間が長く、万が一感染した人がいる場合、会話やせきなどによって飛沫が飛び、取り箸やおたまにウイルスが付着することが考えられるからです。

ウイルスが付着した物を共有した場合、触れた手にウイルスが付着し、その後、鼻や口、目を触ることで粘膜を介して感染する可能性はあります。顔を触らないように心掛けることや、小まめに手を洗ったり消毒したりすることで感染リスクは下げられると思います。また、飲み物や調味料はあらかじめグラスや皿に入れて用意するなどの対策も必要です」

Q.寒い日でも換気をしなければならないのでしょうか。暖房と換気を両立させる方法はありますか。

森さん「先述のように、換気の悪い密閉空間では感染リスクが高まります。政府の専門家会議(現新型コロナウイルス対策分科会)によると、『クラスター』発生のリスクを回避するためには、30分に1回以上、数分間程度、窓を全開することが望ましい▽空気の流れをつくるため、複数の窓がある場合、2方向の壁の窓を開放する。窓が1つしかない場合は、ドアを開ける――といったことが求められています。

寒くなり、換気によって室内の温度が下がる場合は、窓際にヒーターを設置するなどの方法で入ってくる空気を暖めることができます。さらに、ひざ掛けや防寒具を使用するなど体調を崩さない工夫をしながら、適切な換気を心掛けてください」

Q.政府は会食の際にもマスクを着用することを求めていますが、できるのでしょうか。

森さん「可能かどうかというより、実際にやれるかどうかということだと思いますが、食べたり飲んだりする瞬間だけ、マスクを外し、すぐにマスクを着用するということは現実的ではないと思います。また、食事中に何度も繰り返しマスクを触ることは衛生的とはいえません。最近では、顎の下までを覆うことで外さなくても食事ができるマスクや、食べるときに跳ね上げられるフェースシールドなど、会食を意識した感染対策グッズも登場していますが、効果的な取り扱いができるかどうかでリスクは左右されます。

繰り返しになりますが、料理を楽しむ時間は小声での会話を心掛け、また、口元にハンカチを当てるなどして、食事が一段落してからの会話はマスクを着用して楽しむというのが現実的な感染対策ではないでしょうか」

オトナンサー編集部

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