経験者ママに聞く!「幼稚園に入れるタイミング」とそのメリット
寒い日が続きますが、寒さが明けたらいよいよ春がやってきます。春といえば、幼稚園や保育園の入園の時期。すでに今この時期には入園先が決まっている方も多いのではないでしょうか。
幼稚園の入園は、現在年少からの入園が主流だといいますが、それより少し早い満3歳児クラスへの入園や、中にはあえて年中からの入園を選択するご家庭も。それぞれの選択にメリットやデメリットがあると思いますが、みなさんどのような理由で入園のタイミングを決めているのでしょうか?
周囲の幼稚園児を持つ親にリサーチしましたので、ご紹介します。
■子どもを幼稚園に入れるタイミングは?それぞれのメリット・デメリット
■1:満3歳になってすぐの入園
年少(入園する年度内に4歳になる満3歳の児童)の4月からではなく、その前の年度の誕生日当日や翌日、または翌月1日(幼稚園によって違います)から入れることができるのが「満3歳児クラス」です。
最近の幼稚園ではこのクラスを設けていることが多く、早めに子どもを幼稚園に入れたい親は満3歳で入れるための申し込みをします。
早生まれの子どもは満3歳になるのが遅く、年少での入園とあまり変わらないため、選択することは少ないと思いますが、年度前半の誕生日の子どもは成長も早いので満3歳で入れることを決断する親が多いのではないでしょうか。
満3歳で3兄妹の末っ子である息子の入園申し込みをしたAさんはその理由をこう語ります。
「毎日私とふたりきりで過ごすより、同年代の子たちと過ごした方がきっと毎日いろいろな刺激を受けられるだろうなと。
希望の幼稚園は、満3クラスは年少クラスに一緒に混ざって入る園で、やることも年少さんと同じ。お兄ちゃんお姉ちゃんたちがやることを目で見てすぐに真似して、早くからいろんなことを吸収できて、いい刺激を受けられるかなと思いました。
それに、自分が年少になったときに、今度は逆に満3の子にいろいろ教えてあげられるような子になって欲しいなとも思ったんです」
3歳にもなると、おしゃべりも達者になってきて、なんでも自分でやりたがる時期。幼稚園でいろいろなことを早くから学んでほしい、と思って満3歳で入れる人も多そうです。
また、園によっては、年少組のさらに下の学年としての独立した満3歳児クラスを設けている園もあり、その場合は満3歳児に合った教育を受けられたり、同じクラスのお友だちと卒園まで同じクラスで過ごすことができるというメリットもあるそう。
そして、最大のメリットはやはり、集団生活の中での成長。
「集団生活は早い段階から学ばせたかったんです。規則正しい生活リズムができるし、じっと座って先生のお話が聞けるようになるし。時にはいいことも悪いことも覚えて帰ってくるけど、それも学びの一環だと思っています。
うちの園では『直接体験』というのを売りにしていて、実際にいろいろな体験をさせてもらえるから、早く入れたかったというのもあります。
あとは、少しでも親子で離れる時間があった方が、こちらもストレスが少なくなって笑顔で子どもの相手ができます(笑)。
上の子の時は預かり保育が充実していない幼稚園だったので、そこを不便に思っていましたが、今の園は預かり保育が充実しているから、いざというときには延長もできて助かっているし、今のところ特にデメリットは感じていません」
満3歳での入園は、オムツがはずれていないと難しかったり、保育が主体の保育園に比べて教育が主体の幼稚園だと成長がゆっくりの子どもにはついていくのが難しい面もあるため、子どもの成長の速度に合わせて検討する必要があるかと思います。
ですが、誕生日が早かったり、早く集団生活になじんでいろいろな経験を積んで欲しいと考えるご家庭には、満3の選択肢はありなのではないでしょうか。
■2:年少の4月から入園
現在最も主流とされているのが年少からの3年保育。筆者が子どもの頃(1980年代)には、母親が専業主婦という家庭が多く、周囲をみても年中からの2年保育が主流だったように思いますが、時代と共に変わってきています。
ひとり息子を育てるBさんは、年少での入園の理由は「集団生活に慣れることと、親子分離の生活の始まり」だと言います。
「保育園と幼稚園、どちらも見学に行きましたが、幼稚園は教育機関としての機能を果たしていることがメリットだと思いました。
保育園では、先生にキッパリと『保育園はあくまで保育として預かる場なので、小学校入学前に必要な学習はご家庭でフォローをお願いします』と言われて。実際には、ひらがなとかは教えてもらえるようですが、やはり幼稚園の教育指導にはかなわないのかなと。
年少から幼稚園に入れることで、小学生になる前のひと通りの教育を受けさせてもらえて、集団生活にも早くなじめるのがいいなと思いました。また、自分の性格的に子どもの教育に思い詰めてしまうところがあり、少し息抜きできる時間も欲しかったので、年少からの入園を希望しました」
Bさんは満3歳で入れようとしたものの落とされてしまい、年少でもう一度申し込みをしたそうです。
「幼稚園はその園での教育目標や行事、校風、制服を決めていて、園にふさわしい園児を募集して、入園希望者もその園の特色に魅力を感じて希望して入園するから、ある意味Win-winの関係ですが、いくら希望しても園側がふさわしくないと判断すれば落とされるから、必ず入れるとは限らない。実際、我が家も第1希望は落ちてしまいました。
今は少しずつ園の生活になじんできて、よかったなと思っています。デメリットとしては、やはり教育の場なので、ちょっと言葉が周囲より遅れていたり、発達に問題があると、ついていけなくなる心配はあるかもとは思います」
年少ともなるとおしゃべりも上手になり、動きも活発です。そんな時期からたくさんの人と触れ合い、教育を受けることで、ぐんぐんと子どもが成長していくさまを見られるのは楽しみですよね。
■3:年中の4月から入園
かつては主流だった2年保育の年中からの入園。今では、年度の途中での転勤などでもない限り、年中からの入園を選ぶ人は周囲の幼稚園ママたちの体感では少ないそう。
ただ、自分自身で子どもの教育だったり、1日のスケジュールをしっかり管理したい、面倒をみたいという親にとっては、幼稚園はあえて2年保育を選ぶということもあるかと思います。
また、成長の度合い的に、幼稚園に入るにはまだ心配が多いという場合も、無理をせず本人のぺースに合わせて年中から…ということもあるでしょう。
ひとり娘を年中から入園させたCさんに、その理由について伺いました。
「もともと月2回ほどのプレ幼稚園に通わせたり、リトミックなどの習いごとを始めてみたりと、早いうちから集団生活に慣れてほしくてあれこれ参加していたんです。ただ、どこであっても基本ずっと泣いて離れないことが続き、他の子のようにうまくなじめませんでした。
幼稚園は、入園後もあまりにも親子分離生活で泣いていたり、友だちと協調できなかったら、退園になると聞いていたので、無理に満3や年少で入れるよりも、成長に合わせてもう少し親がいなくても友だちとうまく生活できる目途がたってから入れようと思い、そのタイミングは年中かなと思いました。
年少のときはオムツもまだとれていなかったので、そのプレッシャーもあって、それならゆっくりでいいかなと思ったんです」
3年保育が主流の中、年中から入れることのメリット・デメリットはどんなことでしょうか。
「3歳~4歳くらいは言葉の成長が著しい時期なので、そばで見ていても面白かったです。また、がんばって入園までにオムツをはずさなきゃという焦りや、幼稚園バスに乗せるために朝急がせたりしなくていいので、マイペースに子どもとの毎日を過ごすことができたのもよかったです。
デメリットとしては、すでに年少から来ていて集団生活に慣れているクラスのお友達と比べても大分マイペースだったり、最初はトラブルもあったりしたので、やはりなじむまでに少し気を揉むというところでしょうか。
それとやっぱり幼稚園に行かせていれば自分ひとりの時間も持てるところをがっつり1日ずっと一緒という毎日で、平日息抜きできることがあまりなかったので、ストレスは多かった気がします。
周囲のお友達もみんな年少から入っていたので、昼間遊べる友達もいなくて、本当に親子1対1で。とても大変でしたが、過ぎてみれば、今後あそこまで密度の濃い時間を親子で過ごすこともないと思うので、いい思い出です」
特に早生まれだと、周囲のお友達と比べると成長が遅いなと感じることもありますよね。そういう場合は、年少からが主流だからとこだわり過ぎず、子どものペースに合わせてあげるのも手です。
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それぞれの良さがある、幼稚園の入園時期。今はプレ幼稚園といって、幼稚園入園前の子どもを対象にした月2回~週3回ほどの慣らしクラスがある幼稚園も多いので、幼稚園の雰囲気や、どんなことをやるのか、我が子はなじめそうかどうかを本格入園前に確かめることができます。
幼稚園の方針と子どもの個性が合っているか、また子どもの成長度合いはどうかを見ながら、最善の園と入園時期を決められるといいですね。
01/19 18:10
ウレぴあ総研