運動の強度を高めると死亡リスクが下がるという研究結果、早歩きや階段を使うだけでも効果あり
長生きするためには定期的な運動をするべきだということは、多くの人が知っています。新たな研究では、運動の量だけでなく「運動の強度」が高いほど死亡リスクが低下することが判明しました。
Intensity or volume: the role of physical activity in longevity | European Journal of Preventive Cardiology | Oxford Academic
https://academic.oup.com/eurjpc/advance-article/doi/10.1093/eurjpc/zwae295/7758152
More intense physical activity will help you live longer | University of Basel
https://www.unibas.ch/en/News-Events/News/Uni-Research/Live-longer-thanks-to-intense-exercise.html
Boosting Exercise Intensity Reduces Mortality Risk, Study Suggests : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/boosting-exercise-intensity-reduces-mortality-risk-study-suggests
スイス・バーゼル大学の研究者が率いる研究チームは、アメリカ全国保健統計センターが実施した全国調査であるNational Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)のデータを利用し、運動の強度が死亡リスクに及ぼす影響について分析しました。
調査では、アメリカの成人7518人に腕時計型の活動量測定デバイスを装着してもらい、7日間にわたって活動量を測定しました。また、測定から少なくとも4年間にわたる死亡率データを収集し、運動の量や強度と死亡率の関係について分析を行いました。
分析の結果、強度の高い身体活動を行っていた人々は全死因の死亡リスクが低いことが判明しました。死亡リスクの低下は、特に脳卒中や動脈疾患といった心血管疾患による死亡で顕著だったとのことです。
以下のグラフは縦軸が被験者の死亡リスクを、横軸が測定された運動強度を示したもので、運動強度が高いほど死亡リスクが下がっていることがわかります。
バーゼル大学のスポーツ科学者であるファビアン・シュヴェンディンガー氏は、「運動の強度が高いほど、心臓や血管系をより強く刺激します。これによって血管と心肺機能、つまり心血管や呼吸器系のパフォーマンスが向上します」と述べています。
「強度の高い運動」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、シュヴェンディンガー氏は「極端に激しいトレーニングをして消耗し、完全に息切れした人だけが長生きするという話ではありません」と主張。普段より早足で歩いたり、エレベーターの代わりに階段を使ったり、ジョギング中の速度をちょっと上げたりするだけでも効果があるとのことです。
11/09 12:00
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