新型コロナウイルスに感染した子どもは6カ月以内に2型糖尿病を発症するリスクが約1.5倍になる
10歳~19歳までの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者約30万6000人を対象としたケース・ウェスタン・リザーブ大学による分析で、COVID-19に感染した小児患者は感染から2カ月後に2型糖尿病を発症するリスクがその他の呼吸器感染症患者と比べて高いことが示されました。
SARS-CoV-2 Infection and New-Onset Type 2 Diabetes Among Pediatric Patients, 2020 to 2022 | Infectious Diseases | JAMA Network Open | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2824731
COVID-19 linked to type 2 diabetes onset in children
https://medicalxpress.com/news/2024-10-covid-linked-diabetes-onset-children.html
これまでの研究で、COVID-19に感染した成人患者の糖尿病発症リスクは罹患(りかん)しなかった患者と比べて平均66%高いことが示されています。ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部のマーガレット・ミラー氏らの研究チームは同様のパターンが子どもにも存在するかについて調査を行っています。
研究チームは、10歳から19歳までの小児患者61万3602人を、COVID-19と診断された患者30万6801人とほかの呼吸器系感染症(ORI)と診断された30万6801人という2つのグループに分け、症例の分析を実施。
分析の結果、COVID-19またはORIへの感染から1カ月後、3カ月後、6カ月後の2型糖尿病の発生率を比較すると、COVID-19に感染した後に2型糖尿病を発症するリスク比は、ORI患者よりも有意に高いことが判明しました。
具体的には、COVID-19患者とORI患者の2型糖尿病の発症リスクを比較すると1カ月時点で1.55倍、3カ月時点で1.48倍、6カ月時点で1.58倍もCOVID-19患者の方が高いことが明らかになりました。また、過体重に分類された小児患者では2型糖尿病の発症リスクはさらに高まり、1カ月時点で2.07倍、3カ月時点で2.00倍、6カ月時点で2.27倍となっています。
この結果から、研究チームはCOVID-19への感染は、ORIに感染した患者よりも子どもの2型糖尿病の発症リスクが高いと結論付けています。
一方で、COVID-19と2型糖尿病発症の因果関係はこれまでに明らかにされていないことから、研究チームはCOVID-19への感染に伴って発症した2型糖尿病が慢性的なものになるのか、それとも後年改善する回復可能なものなのかについて明言しませんでした。
10/21 06:00
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