ネットの高速性・オープン性・公平性を確保するための中立性ルール復活を連邦通信委員会が決定


2017年に撤廃された「ネット中立性」規制の復活を問う議決が連邦通信委員会(FCC)で行われ、賛成3、反対2で復活が決定しました。
FCC RESTORES NET NEUTRALITY
(PDFファイル)https://docs.fcc.gov/public/attachments/DOC-402082A1.pdf


Net neutrality restored as FCC votes to regulate internet providers | AP News
https://apnews.com/article/net-neutrality-fcc-broadband-regulation-cc8421bc4f11a3e0f6ffc22c358fbfd0
FCC restores net neutrality rules that ban blocking and throttling in 3-2 vote | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2024/04/fcc-restores-net-neutrality-rules-that-ban-blocking-and-throttling-in-3-2-vote/
FCC votes to restore net neutrality - The Verge
https://www.theverge.com/2024/4/25/24140157/fcc-vote-restore-net-neutrality-rosenworcel-biden
FCCは採決により、IPSに対する効果的な監督を行うための権限を回復したことを明らかにしました。また、これに伴って以下の方針を明らかにしています。
・オープンインターネットの保護:IPSによる、合法的なコンテンツブロック、スロットリング、有料の優先順位付けは再び禁止され、2016年にワシントンD.C.巡回控訴裁判所が支持した規則が復活する。
・国家安全保障の保護:FCCは、国家安全保障に脅威を与える外資系企業がブロードバンドネットワークサービスをアメリカ国内で運営する許可を取り消す権限を持つ。この権限は通信法214条に基づくもので、かつて中国国営事業者4社のアメリカでの音声サービス運営許可を取り消した実績がある。
・インターネットサービスの死活監視:インターネットサービスが停止することで、労働者がリモートワークできなかったり、学生が勉強できなかったり、企業が製品を販売できなかったりしたときに、FCCはもっと積極的な役割を果たすことができる。
「ネット中立性」規制は2015年、バラク・オバマ政権期にFCCによって制定されたルールです。「インターネット上のコンテンツの扱いは公平に行うべき」という理念に基づいており、特定のサイトやアプリをブロックしたり、追加料金を支払ったサービス提供者だけがコンテンツを高速に配信可能な「高速レーン」を利用したりする不公平を認めず、中小事業者でも公平にコンテンツを配信できるようにするものです。
しかし、制定からわずか2年後の2017年、ドナルド・トランプ政権下で「ネット中立性」規制は廃止されました。
7年ぶりのルール復活にあたり、FCCのジェシカ・ローゼンウォーセル議長は投票に先立って「インターネットは『あればいいもの』から『なくてはならないもの』になりました。ブロードバンドは今や必要不可欠なサービスです。必要不可欠なサービスとは、私たちが現代生活のあらゆる場面で頼りにする存在であり、基本的な監視が必要なものです」と述べています。

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