日本の紙幣のもとになるミツマタはほとんどがネパールで作られている


日本の紙幣の原料に使われるのは「ミツマタ」という植物です。かつては日本でも多く栽培されていましたが、2005年以降は生産量が減り、その多くをネパールから輸入しているそうです。
かんぽうWEB+SHOP
https://kanpo.net/webplusshop/02_aboutmat.html
On Himalayan Hillsides Grows Japan’s Cold, Hard Cash - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/04/15/world/asia/nepal-japan-yen-argeli.html


Japanese Yen, Made in Nepal | Nepali Times
https://nepalitimes.com/banner/japanese-yen-made-in-nepal
「ミツマタ」はもともとネパールや中国が原産地で、枝先が3つに分かれることからその名がついています。ネパールでは「アルゲリ」と呼ばれています。


ミツマタが生えるのは標高1500mから3000mぐらいのところで、いまネパールでは55の地区で栽培が行われているとのこと。
ミツマタは病気に悩まされることはなく、牛や虫に食べられたりすることもないのですが、寒い時期は適切な乾燥状態にしないと腐ってしまうそうです。
収穫は植えてから5年後の10月から2月ごろ。含水率が高いと緑色になり、低品質扱いとなります。
官報や紙幣用の紙を扱う株式会社かんぽうでは1990年代からネパールで井戸掘りなどの慈善事業に取り組んでおり、やがて、ミツマタ栽培の手助けを始めたとのこと。
日本でのミツマタ栽培は高齢化を原因とする農家の減少などによって衰退していきましたが、ネパールからの輸入品が9割を占めるほどになった理由の1つは、2015年に発生した大地震。日本から専門家が派遣され、農家によるミツマタ栽培の支援が行われました。
ネパール大地震で多くの建物が倒壊したカトマンズ市街を歩いてみて - GIGAZINE


輸出量はどんどん増え、2022年には年間利益が1億ルピー(約1億1600万円)に達しています。The New York Timesが取材を行ったプワマジュワ村のシェルパ氏の場合、ネパール人の平均年収が1340ドル(約20万7000円)のところ、6万ドル(約927万円)の利益を出すと見込んでいます。

ジャンルで探す