NHKが2024年度番組改編で「新プロジェクトX～挑戦者たち～」スタート＆平日午後の生放送枠拡大

NHKが「2024年度 番組改定について」の会見を行いました。中期経営計画「NHK経営計画2024-2026年度」の初年度ということで、13時から放送されている「列島ニュース」が15時までに拡大されるとともに、15時から18時に生放送のニュース情報番組が新設され、平日午後に5時間にわたる生放送ゾーンが組まれます。また、2000年から2005年にかけて放送された「プロジェクトX～挑戦者たち～」が平成・令和を対象として「新プロジェクトX～挑戦者たち～」として復活します。
NHK | 日本放送協会
https://www.nhk.or.jp/
◆NHK総合テレビ
NHK総合では、「コンテンツ戦略 6つの柱」の1つ「民主主義の一翼を担い平和で持続可能な世界の構築に貢献」に基づき、平日10時台に放送している「キャッチ！世界のトップニュース」の放送枠を拡大。
また、お昼は12時45分から連続テレビ小説の再放送を行っていますが、ドラマ視聴習慣に合わせて12時30分に「連続テレビ小説アンコール」を移設、12時台の30分が連続テレビ小説枠となります。これにより、2024年4月からは「ちゅらさん(再放送)」と新作「虎に翼」を続けて楽しめるようになります。
13時台に放送されている「列島ニュース」は15時までに拡大されます。
そして15時から17時台は新たにニュースや暮らしの情報、中継などを交えた「午後LIVEニュースーン」がスタートします。これにより、平日午後は13時から18時までの5時間が生放送ゾーンとなり、緊急情報などにも対応していくことになります。
夜は新たなフラッグシップコンテンツを目指して「新プロジェクトX～挑戦者たち～」がスタートします。2000年から2005年にかけて放送された前シリーズは戦後復興期を中心に焦点が当てられましたが、新シリーズは“失われた時代”平成や令和の挑戦者に光を当てる内容です。
◆NHK Eテレ
Eテレの改編は「帰宅した幼稚園児、小学生とのつながり」を重視して、19時台に家族で楽しめる番組を拡充。一方、夜は大人の知的好奇心を充実させるような、本格的な教養番組が編成されます。
新番組としては、水曜21時30分から「3か月でマスターする世界史」が放送されます。
◆NHK BS
BSは「MLB」中継が軸となります。
またFIFAワールドカップの歴史的試合をノーカットで放送する「FIFAワールドカップ ～伝説の試合ノーカット～」が日曜23時35分からスタートします。
これに合わせて、2024年2月16日(金)から、視聴者が選ぶ「伝説の試合」「推し選手」「神プレー」の投票がスタートし、3月30日(土)21時から結果が発表されます。
◆BSプレミアム4K
基本的にBS2Kと4Kの両方で放送される番組は、4Kで先行放送されます。
4月からは大河ドラマや名作ドラマを4Kリマスター放送が始まり、まずは日曜11時30分から「大河ドラマアンコール 独眼竜政宗」が放送されます。
◆NHKラジオ第1
ラジオも平日12時30分から15時55分に生放送番組「まんまる」がスタートします。
◆NHK FM
音声波再編の取り組みとして、新たに中国語講座とハングル講座が編成されます。
◆質疑応答
産経デジタル：
お昼の時間に連続テレビ小説『ちゅらさん』の再放送をされるとのことですが、資料で番組表を見ると、月曜日から金曜日の5日間放送のスケジュールになっています。『ちゅらさん』は収録放送時代の作品なので、これだと1週間分が収まらないのではないかと思うのですが、どこかで調整されるのでしょうか？
NHK メディア戦略本部 篠田恵一氏：
これは、どこかでずれていって、「虎と翼」とは同時に終わらないことになると思います。途中で調整は入るかもしれませんが、基本的にはずれていくことになります。
TVガイド：
2024年3月まではNHK総合とBSプレミアム4Kの同時放送ドラマなどがありましたが、4月からは同時放送は基本的になしになるということでしょうか？
NHK：
考え方としては「4K先行放送」ということになります。たとえば「ドラマ10」は2023年度は地上波と4Kが同時放送でしたが、2024年度は4Kが火曜日18時15分からで、総合はこれまで同様火曜日22時です。完全に同時放送がなくなるかというと、特番などで同時にやることはあると思いますが、定時番組は基本的には4K先行という考え方です。
AV Watch：
『新プロジェクトX～挑戦者たち～』について。制作が大変かと思いますが、毎週放送されるものでしょうか？
NHK：
原則、ウィークリーで放送する予定です。
AV Watch：
放送期間は1年間なのでしょうか？
NHK：
まず2024年度の前半期はやるということで発表させていただいています。
AV Watch：
初回の放送日やテーマ、テーマソングなどの発表は？
NHK：
また別途、『新プロジェクトX』のことをお知らせする会を開きたいと思います。新年度は4月1日からなので、放送は4月1日以降であることは間違いないです。
AV Watch：
いまBSプレミアムの枠で、能登半島地震関連ニュースを放送していると思います。BSプレミアムは2024年3月31日で停波になると思いますが、その時点で関連ニュースも終わりになるのでしょうか？
NHK：
(BSプレミアムの能登半島地震関連ニュースは)もともと、地上波が停波した影響を代替したものです。NHKの地上波局は復旧しているのですが、ケーブルテレビで視聴してる方が多く、ケーブルテレビが復旧していない状況ではテレビがご覧になれないこともあります。このため、現地のインフラ復旧状況とも合わせて検討していくことになります。現状は決まっていないというところです。
AV Watch：
お昼の時間帯に、生情報番組をというお話でした。この内容は主にニュースなのでしょうか。民放ではバラエティっぽい番組もありますが、同じ時間帯に、NHKはどういった内容を放送するのですか？
NHK：
志としては、NHKならではのニュースであったり、暮らしに役立つ情報をお届けするということです。あと、中継なども交えて、NHKの全国ネットワークを生かしてお届けしたいと思っております。民放ではタレントさんが多く出る番組もありますが、MCにアナウンサーを起用しますので、そのあたりも違う番組にしたいと考えています。
AV Watch：
硬派な方向に？
NHK：
硬派というのもなんですが、しっかりと緊急報道にも対応していきたいと思っています。
AV Watch：
この時間帯に国会中継や相撲が入る場合はどういう編成になるのでしょうか？
NHK：
その場合、現状と同様、相撲や国会中継のときはお休みという形になります。
AV Watch：
読者が楽しみにしている『魔改造の夜』、今期のアップデートはなにかありますでしょうか？
NHK：
いま番組表には掲載がありませんが、今後どのように編成するかは来年度含めて検討していくことになると思います。どうお伝えするか難しいのですが、定時番組としてはいったん外れていて、今後検討ということになります。
(追加情報：)
編成担当者より、年間数本、特集でできないかと検討しているとのことです。いつ何本とはお約束できませんが、ご期待いただけたらと思います。
AV Watch：
『ブラタモリ』も今回レギュラーからお休みということで？
NHK：
『ブラタモリ』については、いまの土曜日19時30分から放送のスタイルにいったん区切りをつけると判断しました。今後、さらに楽しめる番組にするための検討は進めていますので、「いったん区切る」と捉えていただければと思います。
ステレオサウンド：
番組とは直接関係しないかもですが、4K制作の割合はどれぐらいかわかりますでしょうか？
NHK：
基本は4Kだと思います。いま手元に数字がないので、また調べてお伝えします。
ステレオサウンド：
プレミアム4Kのお得感のために番組を先行放送するというお話がありましたが、『独眼竜政宗』以外に特番の予定などはありますか？
NHK：
考えてはいるのですが、発表できるのがまだ『政宗』だけというところかなと。アーカイブスを活用していくのは経営計画にも書かれていることで、良質なコンテンツをどんどんお届けしていきたいと思います。続々と名作を4Kリマスターしてお送りしたいというのはまさにその通りで、それが4Kプレミアムのウリだというのは間違いないです。再編後は4Kを見ていただける方が増えているので、もっと見ていただけるようにがんばりたいと思います。
TVガイド：
総合テレビの『水曜スペシャル』枠はどういった枠ですか？
NHK：
基本的には特集番組枠です。新たな定時人気番組を作りたいという話がありましたが、それを目指す開発番組を中心にお送りします。また、能登半島地震から時間が経過していますが、NHKとしては取材・放送していきたいと思っていますので、能登半島地震関連の番組も放送できるように柔軟に対応していきたいと思っています。
TVガイド：
総合テレビでは『ワルイコあつまれ』も始まります。これはEテレ版から内容は継続なのでしょうか？変わるのでしょうか？
基本的には稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんの3人が出演する教育バラエティというのは変わりません。ただ、Eテレではなく総合テレビでの放送なので、子どもさんだけではなく、幅広い層に見てもらえるエンタメ番組にしていこうと考えています。