ゲーム開発者の31%がすでに生成AIを使用していることが判明

ゲーム開発者の31%がすでに生成AIを使用していることが判明 - 画像


例年3月に開催されるゲーム開発者を中心とした会議「Game Developers Conference(GDC)」の主催団体が、3000人以上のゲーム開発者を対象に行った調査結果を発表しました。この調査で、回答者の31%が「個人的に生成AIを仕事で使っている」と答え、18%が「個人的には使っていないが職場の同僚は使っている」と回答したことが判明しました。
GDC 2024 State Of The Game Industry: Devs Discuss Layoffs, Generative AI, and More | News | GDC | Game Developers Conference
https://gdconf.com/news/gdc-2024-state-game-industry-devs-discuss-layoffs-generative-ai-and-more%3F_mc%3Dedit_gdcsf_gdcsf_le_x_17_x_2024%26kcode%3DBLG_GDC

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31% of game developers already use generative AI | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/31-of-game-developers-already-use-generative-ai/

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生成AIは画像や文章、音声や音楽を自動で生成してくれるツールですが、学習に用いられたデータセットが著作権侵害かどうかという議論が解決されておらず、さらに生成AIが人間の仕事を奪うのではないかという懸念もあり、反発を生んでいます。たとえば、スクウェア・エニックスが2024年2月6日に発売する予定のシューティングゲーム「FOAMSTARS」は、開発元がアセットの0.01%を画像生成AIのMidjourneyで生成したことで批判を浴びました。
また、あらかじめ録音した音声からAIで合成音声を生成できることを契約条項に盛り込むケースが増えていると、アメリカの声優や組合から反対の声が上がっています。
声優に「録音した音声でAIに合成音声を生成させることを認める」契約を迫るケースが増加、声優や組合からは反対の声 - GIGAZINE

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ただし、ゲーム開発の場で生成AIが用いられるのは、グラフィックや音だけではありません。たとえば、ゲーム開発でのプログラミングにおいてGitHub Copilotにコードを生成してもらうことが可能です。さらに、財務・マーケティング・PR・制作などの部門で資料を作ったり会議内容を書き起こしたりする目的でもAIを活用できます。つまり、プレイヤーが直接認知できない部分でも生成AIが活躍している可能性があるというわけです。
GDCが開発者に対し、「あなたは生成AIツール(例えばChatGPT・Dall-E、GitHub Copilot、Adobe Generative Fillなど)を自分の会社や組織で使っていますか?」と尋ねたところ、「はい、使っています」が31%、「私は使っていませんが同僚は使っています」は18%、「使っていませんが興味はあります」が15%、「使っていませんし興味もありません」が23%でした。

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また、上記の質問で「はい、使っています」と答えた開発者の職種を調べると、「経営&財務」が44%、「コミュニティ/マーケティング」が41%、「制作&チームマネージメント」が33%、「プログラミング/エンジニアリング」が25%、「ゲームデザイン」が21%、「物語/脚本」が13%、「ビジュアルアート」が16%、「音声」が14%、「品質保証」が6%でした。

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GDCは「回答者の大半はコーディング支援とコンテンツ作成のスピードアップに関心を寄せていました。また、開発において何度も繰り返す作業をAIで自動化するというアイデアにも興味を持っているようです」と分析しました。
ただし、GDCによれば開発者の84%が「生成AIの使用についてある程度、あるいは非常に懸念しています」と回答したとのこと。ある回答者は「生成AIによって誰かの仕事が完全に置き換えられてしまうことは本当に懸念事項だと思います。労働力を削減するのではなく、能力を強化するために使用されるべきです」と答えたそうです。
なお、2023年9月にUnityが価格体系を大幅に変更し、ゲーム開発者が強く反発したことを受けて、GDCは使用しているゲームエンジンについても尋ねています。その結果、回答者の3分の1は過去1年以内にゲームエンジンの切り替えを検討した、あるいはすでに切り替えたと回答したとのこと。ただし、ほぼ半数は切り替えを検討していないと答えたそうです。

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