イエメン内戦で船舶への攻撃を繰り返したフーシ派武装勢力に対しアメリカとイギリスが報復を開始

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中東イエメンとサウジアラビアの西方に位置する紅海で、武装勢力・フーシ派による船舶への攻撃が相次いだことを受け、アメリカとイギリスがフーシ派の拠点数カ所を攻撃しました。
US, UK launch large-scale retaliatory strikes against Iran-backed Houthi militants in Yemen - ABC News
https://abcnews.go.com/Politics/us-retaliates-iranian-backed-houthi-militants-yemen/story?id=106300275
U.S. and U.K. conduct strikes on Houthi targets in Yemen to retaliate for spate of attacks - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/us-uk-strike-yemen-to-retaliate-houthi-attacks/
イエメンでは、サウジアラビアの支援を受ける政権側と、イランからの支援を受ける反政府勢力フーシ派による内戦が続いています。フーシ派は親イラン・反米・反イスラエルを掲げ、紅海を通るイスラエル船籍の船舶や、イスラエルへ向かう船舶を拿捕(だほ)するなどの攻撃行為を繰り返してきました。
また、イスラエルを支援するアメリカの無人機をイエメン近辺で撃墜することがあり、対するアメリカはイスラエルに向けて発射されたミサイルを撃墜するなど複数国を巻き込んだ攻防が繰り広げられています。戦火を避けるため、海運会社は紅海を通るルートを避け、アフリカ大陸を大回りするルートを選択せざるを得なくなっていることも伝えられていました。
コンテナ船の95%がスエズ運河を避けて喜望峰を回るルートを選択、イエメン内戦でフーシ派による船舶への攻撃が続いているため - GIGAZINE

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2024年1月11日、フーシ派による紅海での船舶への攻撃が続いたことを受け、アメリカとイギリスが紅海近辺に位置するフーシ派の拠点を攻撃したことを明らかにしました。ジョー・バイデン大統領は攻撃を認め、通商の自由を確保するため、さらなる措置を執る可能性を示唆しています。
イギリスのリシ・スナク首相は「今回の空爆は限定的で、必要かつ妥当だった」との声明を出し、オランダ、カナダ、バーレーンが「非作戦的支援」を提供したと述べました。

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BBCによると、アメリカ軍のジェット機およびアメリカの軍艦から発射されたトマホーク巡航ミサイルがイエメンの首都サヌアとフーシ派の紅海港拠点フダイダを含む12カ所以上を攻撃し、キプロスのアクロティリ空軍基地から発進したイギリス空軍のタイフーン4機がフーシ派の標的2カ所を空爆したとのこと。アメリカ側の攻撃では、2023年11月に中東周辺に配備されたオハイオ級原子力潜水艦・フロリダが使われたと伝えられています。
バイデン大統領は「本日、私の指示により、アメリカ軍はイギリスとともに、世界で最も重要な水路のひとつを危険にさらすフーシ派に対する攻撃を成功させました。これらの攻撃は、紅海における国際的な海上船舶に対する前例のないフーシ派の攻撃に直接対応するものです」との声明を発表しました。

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