キヤノン・ニコン・ソニーが写真にデジタル署名を埋め込むカメラ技術を開発中、AIが生成した精巧な偽物と写真を区別するのに役立つ可能性あり

キヤノン・ニコン・ソニーが写真にデジタル署名を埋め込むカメラ技術を開発中、AIが生成した精巧な偽物と写真を区別するのに役立つ可能性あり - 画像


AI技術の発展によって、実写と見分けが付かない精巧な画像を作成できるようになりました。しかし、画像生成AIで作成した精巧な画像は偽情報の拡散に用いられる可能性があるため、画像生成AIによって生成した画像とカメラで撮影した本物の写真を正確に見分ける技術の開発が求められています。新たに、キヤノン・ニコン・ソニーといったカメラメーカーが写真に「実写であることを証明するデジタル署名」を埋め込む技術を開発していることが報じられています。
ニコンやソニー、「AI偽画像」防ぐカメラ 電子署名で - 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC21C520R21C23A2000000/
Nikon, Sony and Canon fight AI fakes with new camera tech - Nikkei Asia
https://asia.nikkei.com/Business/Technology/Nikon-Sony-and-Canon-fight-AI-fakes-with-new-camera-tech
日本経済新聞の報道によると、ニコンは「撮影日時」「撮影場所」「撮影者」といった情報を含むデジタル署名を写真に埋め込めるミラーレスカメラを開発しているとのこと。
ソニーも同様のデジタル署名埋め込み技術を開発しており、2024年中にファームウェアを介して3モデルのカメラに当該技術を搭載する予定です。また、ソニーは「認証サーバーでデジタル署名を検証してAI生成画像か否か判断するツール」も開発しているとのこと。ソニーは当該ツールを2023年10月にAP通信と協力してテストしていたそうです。
さらに、キヤノンもデジタル署名埋め込み技術を開発しており、2024年中に当該技術搭載モデルを発売予定とのこと。また、キヤノンは埋め込み情報を参照して画像の編集履歴を確認できる画像管理ツールも開発しています。

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AI生成画像と本物の写真を見分ける技術を開発しているのはカメラメーカーだけではありません。例えば、日本経済新聞によると大手報道機関や、テクノロジー企業、カメラメーカーが協力して画像チェックツールを開発しているとのこと。このツールは「Verify」と呼ばれており、画像に埋め込まれたデジタル署名を参照して撮影日時や撮影場所などの情報を確認できるとされています。
また、写真などのコンテンツの作成者が「AIを使用したか否か」などの情報をコンテンツに埋め込める「Content Credentials(コンテンツ認証情報)」と呼ばれる仕組みの開発も進んでいます。すでにAdobeやMicrosoft、Intelといった大手テクノロジー企業がContent Credentialsの普及に向けて研究開発を進めています。
MicrosoftとAdobeが推進する「AI透かし」はどのように機能するのか - GIGAZINE

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