インターネットアーカイブの画像配信標準化フレームワーク「IIIF」がサービスを正式に開始
さまざまなウェブページを保存する活動を行う非営利団体のインターネットアーカイブが、画像やオーディオファイルをサーバーからブラウザに配信する方法を標準化するフレームワーク「International Image Interoperability Framework(IIIF:国際的な画像相互運用のための枠組み)」の提供を正式に開始しました。
Making IIIF Official at the Internet Archive | Internet Archive Blogs
https://blog.archive.org/2023/09/18/making-iiif-official-at-the-internet-archive/
近年ではインターネットアーカイブに限らず、博物館や研究機構などさまざまな団体が社会にとって有益な資料をデジタル化して保存・公開する活動を行っています。しかし、各機関が採用するビューワーや、ユーザーが使用するブラウザによって表示の挙動が異なることが多くあり、提供者と開発者とユーザーのすべてに不都合が生じていました。
これを改善すべく、2015年にインターネットアーカイブのチームが立ち上げたのがIIIFです。IIIFは画像やオーディオ、ビジュアルファイルを一貫した動作で閲覧できるようにするフレームワークで、ユーザーがIIIFに対応したビューワアプリを活用すると、複数の機関が提供する画像を簡単に比較したり、ズーム、回転、注釈を付けるなどの動作を一貫して行ったりすることが可能になります。
IIIFではコンテンツをサーバーから閲覧者に向けて配信・表示するためのAPIに加え、コンテンツを検索するためのAPIなどが提供されており、総合検索サービスなどは「自分のサーバーにコンテンツを置くことなく直接表示できる」などのメリットを享受できます。
国際的な画像の相互運用の枠組み IIIFについて 永崎研宣 一般財団法人人文情報学研究所
(PDFファイル)https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_kyougikai/jitumu/dai5/siryou1_1.pdf
8年間にわたり実験的にサービスが提供されてきたIIIFですが、2023年9月18日についに正式リリースされました。
正式リリースに伴う変更点のひとつは、IIIF APIへのアクセス元が「iiif.archivelab.org」から「iiif.archive.org」に変わることです。旧ドメインでプロジェクトを作成していた開発者のために今後数週間にわたって段階的に移行され、開発者が必要な情報を入手できるような説明が随時行われる予定とされています。
これまでに京都大学図書館機構やテキサス大学などがIIIFへの参加を表明しています。
09/19 17:00
GIGAZINE