「新型コロナワクチン由来のスパイクタンパク質は有害」というフェイクニュースがFacebookで拡散されている

「新型コロナワクチン由来のスパイクタンパク質は有害」というフェイクニュースがFacebookで拡散されている - 画像


by NIH Image Gallery
ニュースの信ぴょう性を調査し反証するフランス通信社(AFP)の組織「AFPファクトチェック」が、アメリカの研究論文を利用して「新型コロナウイルスワクチンで体内に複製されるスパイクタンパク質が有害である」という誤った主張をする投稿がFacebookで拡散されていると報じています。
Posts misrepresent US study on dangers of coronavirus spike protein | Fact Check
https://factcheck.afp.com/posts-misrepresent-us-study-dangers-coronavirus-spike-protein
フェイクニュースに利用された研究は2021年3月31日に学術誌・Circulation Researchに掲載された論文で、非営利法人のソーク研究所の研究チームによって発表されたもの。この論文は、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が血管系の細胞にどういった損傷を与えるかを研究したものでした。
SARS-CoV-2 Spike Protein Impairs Endothelial Function via Downregulation of ACE 2 | Circulation Research
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCRESAHA.121.318902

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上記の研究論文を利用する形で、ニュージーランドを拠点とするFacebookページが「mRNAワクチンによって生み出されるスパイクタンパク質のコピーが血管系の細胞に損傷を与える可能性がある」と主張。このニュースは100回以上共有されましたが、AFPファクトチェックはニュースが「フェイクニュースである」と判断しています。
このフェイクニュースは2021年5月初め頃から形を変えて、さまざまなFacebookページで共有されているとのこと。以下の画像は実際に共有されたFacebookページのウェブ魚拓です。

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ファイザーやモデルナによるmRNAワクチンのメカニズムは、スパイクタンパク質の設計図となるmRNA(伝令RNA)を細胞内のリボソームに翻訳させ、発現したスパイクタンパク質を抗原とすることで新型コロナウイルスに対する免疫を獲得するというもの。そのため、mRNAワクチンの接種後は体内でスパイクタンパク質が産生されることになります。
この論文の中でソーク研究所の研究チームは、新型コロナウイルスのワクチン接種が「新型コロナウイルスから宿主を保護」し、さらに「スパイクタンパク質による内皮細胞の損傷も抑制する」と述べています。また、ソーク研究所の広報担当者は「ワクチンによるスパイクタンパク質はウイルスのスパイクタンパク質と振る舞いが異なり、腕の筋肉内に短期間しかとどまらないので安全です」とコメントしました。

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マックス・プランク生化学研究所のピーター・マレー教授は「新型コロナウイルスワクチンで産生されるスパイクタンパク質の量は、通常のウイルス感染と比較するとおそらく100万分の1ほどの量です」と解説しています。また、ライプツィヒ大学のアネット・ベック・シッキンガー氏は「スパイクタンパク質はワクチン接種を受けた時、筋細胞の表面に作られるのみで、体内を巡って血管内皮細胞を破壊するようなものではありません」と述べました。
AFPファクトチェックは「Facebookで共有されている投稿は誤解を招く恐れがあります」と注意を促しています。

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