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わずか8歳の子どもがプロゲーマーとしてeスポーツチームと契約、違法なのではと懐疑的な声も

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2020年12月3日、8歳のゲーマーであるジョセフ・ディーンくんがプロeスポーツチームの「TEAM 33」とプロ契約を結びました。世界で最も若いプロeスポーツ選手が誕生したということでゲーム界隈では大きな話題となったのですが、「8歳のプロゲーマーは合法なのか?」という懐疑的な意見も飛び交っています。
An Esports Team Signed An 8 Year Old, But Nobody Is Sure If It's Legal
https://kotaku.com/an-esports-team-signed-an-8-year-old-but-nobody-is-sur-1845898629
2020年12月3日、プロeスポーツチームのTEAM 33がジョセフ・ディーンくんとプロ契約を結びました。ディーンくんは「33Gosu」という名前のフォートナイトプレイヤーとして知られており、TEAM 33は契約に際して5000ドル(約52万円)相当の世界最高クラスのPCゲーム環境をディーンくんの部屋に構築し、契約金として3万3000ドル(約340万円)を支払っています。ディーンくんは「夢がかなったかのようです!他の多くのプロチームは僕があまりに若いためチームへの加入について真剣に考慮してくれませんでしたが、TEAM 33はフォートナイトを通して私をスカウトし、毎日チームのメンバーと一緒にトレーニングする機会を設けてくれました。そして今日、僕はこのチームの正式なメンバーになりました。これ以上の幸せはありません!」とコメントしました。
Team 33, a new esports organization, has signed Joseph Deen to their exclusive roster.
Deen will receive a "world-class" setup worth $5,000 and a $33,000 signing bonus.
He is 8-years-old. pic.twitter.com/I1D4tW6boB— Joe Pompliano (@JoePompliano) December 3, 2020
わずか8歳のプロゲーマーが誕生したことに対して、ゲームファンからは賛否両論の声が挙がっています。「まるで夢のようだ!」という肯定的なコメントもありますが……
wow this sounds like a dream— Inka olivia (@ILottalii) December 14, 2020
ディーンくんのプレイしているフォートナイトの競技イベントには13歳以上という年齢制限が存在するため、プロゲーマーとして大会に出場することはできないのではないかという指摘や、児童労働に関するアメリカの法律に違反するのではないかという声まで存在します。
No shot this is legal https://t.co/g4viS0sCxc— Jake Lucky (@JakeSucky) December 3, 2020
近年、10代の若者がゲーム界隈でスターとなり、プロ選手となるケースが多く存在します。プロeスポーツリーグのオーバーウォッチ・リーグでは、「18歳以上」という年齢制限が存在しますが、リーグに参加しているプロチームは有望な若手選手を囲い込むために18歳未満のプレイヤーと契約したという事例も存在します。
また、フォートナイトの公式世界大会であるFortnite World Cup 2019でソロプレイヤーとして優勝したBugha(ブーガ)選手は、当時16歳という年齢で300万ドル(約3億2000万円)の賞金を獲得しました。
他にも、有名eスポーツチームのFaZeに所属するH1ghSky1選手は、自身の年齢を偽ってフォートナイトの公式大会に出場しようとしたため、Epic Gamesからアカウントを停止させられたり、ゲーム配信プラットフォームのTwitchからもアカウントをBANされています。
『フォートナイト』プロゲーマーの年齢詐称発覚。有名選手Tfueの訴訟案件を機に、Twitchバンと賞金剥奪の措置 | AUTOMATON
https://automaton-media.com/articles/newsjp/20190608-94021/
eスポーツのプロ選手の年齢は非常に若く、フォートナイトなどの特定のゲームタイトルの場合、プロ選手の年齢層は特に低くなります。そのため、eスポーツファンの多くがディーンくんのプロ契約についてどのように反応すべきか迷っていると海外ゲームメディアのKotakuは指摘しています。
しかし、TEAM 33の創設者であるタイラー・ギャラガー氏は、「ディーンは働く必要がないので、本質的に労働法が適用されることはありません。彼はただゲームをプレイしているだけです。ディーンは朝に目を覚まし、17時に学校から帰ってきてから、我々TEAM 33の有無にかかわらずゲームをプレイしています」「TEAM 33はディーンをどこへも派遣していませんし、彼が公式の競技イベントに参加することはありません。彼は土曜日や日曜日と同じように、毎日ゲームで遊んでいます。我々のチームはディーンを信じて投資しているだけであり、彼にお金を投資すること自体は法的に認められています」と説明しています。
ギャラガー氏はディーンくんとTEAM 33が結んだ契約の詳細については明かしませんでしたが、「何もする必要はない」と説明しています。また、TEAM 33の練習に参加しないのもディーンくんの自由であり、ディーンくんが学業を疎かにしていると両親が感じた場合、一方的に契約を破棄できるという条項もあるとのこと。ディーンくんとTEAM 33の契約内容はTEAM 33側が提示したものではなく、ディーンくんの母親と弁護士が作成したものだそうです。

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ディーンくんは契約によりTEAM 33の練習に自由に参加することが可能で、ゲームの競技イベントに参加することもできますが、賞金付きの大会に参加することはできません。TEAM 33はディーンくんのオフィシャルグッズを販売し、ディーンくんのYouTubeチャンネルとオフィシャルグッズから33%のマージンを受け取る模様。なお、ディーンくんが13歳になり公式の競技イベントに参加できるようになった際には、TEAM 33との契約を更新したり別チームへ移籍するしたりすることができるそうです。
Kotakuがeスポーツ専門の弁護士であるライアン・フェアチャイルド氏にTEAM 33とディーンくんの契約内容や、ギャラガー氏の主張について問い合わせたところ、「労働法的にこの契約内容を注意深く観察すれば、それは微妙なラインにあるだろうと思いますが、倫理的にあるいは労働法を基準にして、ディーンくんの契約を妨げるものは何でしょうか?」と語っています。
Kotakuはディーンくんにもインタビューしたそうで、BughaやH1ghSky1といった若いプロ選手に触発されて、TEAM 33の一員になることを選び、その事実にとても「興奮している」と語ったそうです。また、自身の目標について、「より良いプレイヤーになること」そして「最高の選手になること」と語っています。

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ディーンくんの母親であるジジさんは、TEAM 33やギャラガー氏と定期的に連絡を取り合いながら、ディーンくんのeスポーツ選手としての今後のキャリアについて話し合っているとのこと。「タイラーはただただ素晴らしく、TEAM 33もただただ素晴らしいチームです。タイラーはディーンにとても親切で、すべてをよく理解してくれています。ディーンはとても若いですが、私の希望はTEAM 33と共に彼が大きく成長していくことです」と語っています。
アメリカでは州によって児童労働法が異なり、eスポーツにおいてプロゲーマーをアスリートとみなすかエンターテイナーとみなすかに応じて、法律の適用範囲が異なってくるというのもやっかいな点です。「eスポーツ業界では全体的に適切な法律が整備されていない」とKotakuの顧問弁護士であるナタリー・サンダース氏は語っており、同じように児童労働法が問題になるオリンピックに出場する若いスポーツ選手などの場合、長時間にわたる練習などを「労働」ではなく「課外活動」と呼称するそうです。
サンダース氏はディーンくんがYouTubeを通して一定の金銭を稼いでいる場合、これは報酬であると考えられるため、公正労働基準法に基づき「16歳未満の未成年者が働くことができる時間を制限する」というカリフォルニア州における児童労働法を適用する必要があると指摘しています。一方で、これらの法律はあくまでも映画やテレビ業界で働く子ども向けに作られたものである点には注意が必要で、TEAM 33が法律に違反していると明確に指摘するのは難しいとしています。

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