Appleが中国の労働法に違反しながら工場労働者を働かせていることが再び明らかに

Appleが中国の労働法に違反しながら工場労働者を働かせていることが再び明らかに - 画像


AppleはiPhoneやMacなどの製品の製造をサプライヤーに委託しており、そのサプライヤーの多くは安価な労働力が確保可能な中国に工場を構えています。このAppleのサプライヤーの工場では、中国の労働法に違反する形で労働者が働かされている、とニュースメディアのThe Informationが報じています。
Apple Turned Blind Eye to Supplier Breaches of Chinese Labor Laws — The Information
https://www.theinformation.com/articles/apple-turned-blind-eye-to-supplier-breaches-of-chinese-labor-laws
Apple complicit in labor law violations, say former staff - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2020/12/09/apple-complicit-in-labor-law-violations/
2014年に中国で新しく導入された労働法によると、企業が派遣労働者や契約社員を雇用する場合、その割合が全従業員の10%以下になる必要があると定められています。これは派遣労働者の雇用が不安定で、多くの場合給料が少ないという状況を解消するために政府が導入した法律であるといえます。この労働法は施行されるまで2年間の猶予期間が設けられていたため、Appleは法律の施行が決まった2014年の段階で、サプライヤーが法律に違反していないかどうかを調査したそうです。
情報提供者によると、当時Appleが中国のサプライヤーが運営する362の工場を調査したところ、そのほぼ半数が法律の規定する割合を超えた派遣労働者を雇用していたことが明らかになったとのこと。The Informationが入手した内部情報には、「Appleのサプライヤーが運営する80の工場で、労働力の半分以上が派遣労働者だった」と記されていたそうです。この調査結果を受け、Appleは2年間の猶予期間が終了する2016年3月までに、派遣労働者の割合を減らすように各サプライヤーに通達しました。

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しかし、実際のところは法律が施行されるまでの間にサプライヤーの工場で派遣労働者の割合が改善されることはなかった模様。The Informationに情報をリークしたAppleのサプライヤー関連部門で働いていたという人物は、状況が改善されなかったことをAppleは認識していながら、「問題を解決するのではなく無視することに決めたようです」と語っています。
情報提供者によると、Appleは「生産コストの増加」「リソースの浪費」「iPhoneなどの製品の発売が遅れる可能性」などを加味し、派遣労働者に関する労働法に違反する形になると理解しながら、サプライヤー側に問題の改善を求めなかったとのこと。なお、The Informationに情報を提供したAppleの元従業員4人のうち、1人は中国での事業を統括する上級管理職、3人は中国のサプライヤー管理チームのメンバーであったそうです。
この報道に対して、Apple関連メディアの9to5Macは「この報道が真実なら、これはAppleにとって恥ずべき行為であり、同社はサプライチェーンに対して責任あるアプローチを取ることを怠ったということになります。一方で、Appleは『サプライチェーンで働く労働者の労働条件は合法かつ合理的なものであることを保証している』と主張しています」と指摘しました。
なお、2019年にも「Appleが中国のサプライヤー工場で労働法違反を犯して派遣労働者を働かせている」と報じられています。労働法に違反したのはFoxconnのiPhone製造工場で、同工場は30万人もの労働者を雇用できる規模だそうです。
「Appleが中国工場で労働法違反を犯して派遣労働者を働かせている」という報告 - GIGAZINE

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さらに、2020年11月にもAppleのサプライヤーであるPegatronの工場で、学生インターンが違法に労働を強制させられていたことが発覚しました。この際Appleは、「Pegatronを謹慎期間に置き、行動を完全に是正するまでの間は新規ビジネスを提供しないことにしました」と声明を出しています。
iPhoneの製造工場で学生インターンが違法に労働を強制させられていたことが新たに発覚 - GIGAZINE

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Appleのサプライヤーが中国工場で違法労働を犯している根本的な理由は、「製品の秘密を保持するためにAppleが取っているアプローチにある」と情報提供者たちは主張しています。Appleは秘密保持のために、製品の製造を発売日に近づくまで行いません。これにより、サプライヤーが労働法を遵守しながらAppleの要望を満たすように製品を製造することが「事実上不可能になっている」と情報提供者は語っています。実際、Appleが2015年に作成した社内プレゼンテーション用の資料には「10%の派遣労働者だけでは、発売間近のApple製品に必要な労働需要に対処することはできません」と記されていたそうです。
なお、これらの報道に対して、Appleは労働法違反を是正するためにサプライヤーと「密接に協力している」と述べています。

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