漫才コンビ「突発解散」で残った「79歳までかかるローン地獄」悲哀芸人の告白

 いつの頃からか、仲良し漫才コンビが増えた。「仲良し」を売りにするコンビが増えた、と言うべきか。そのひとつにはおそらく、サンドウィッチマンの成功が大きいと思われる。

 2007年のM-1グランプリで、敗者復活からの劇的な優勝を果たしたサンド。その後の取材や密着番組などで、富澤たけしと伊達みきおの2人は高校時代の同級生で、同じラグビー部に所属していたことや、既に就職していた伊達を富澤が口説いてお笑いの世界に入ったこと、長年、狭いアパートに2人で住んでいたことなど、数々のエピソードが明かされた。これらが彼らの人気と好感度アップに一役買っている。

 最近でも、昨年のキングオブコント優勝者のサルゴリラが、幼稚園時代からの幼なじみで仲良しというのを前面に押し出している。

 正直、コンビ仲が良かろうが悪かろうが、ネタが面白ければ、こちらとしては構わない。むしろ、職場での人間関係はあくまで仕事上の付き合いで、プライベートまで仲良くなる必要はないとドライに受け流し、行事や飲み会の誘いを疎んじて、場合によっちゃ「ハラスメントだ」と拒否するような世代。これが「漫才師」という職業については、仕事以外でも仲良しであることを美徳のように捉えることに、違和感を覚えるが…。

 しかしここにきて、芸人の解散が立て続けに起きた。パッと思いつくだけでも「和牛」「ゾフィー」「ANZEN漫才」「尼神インター」「ハイツ友の会」などなど。ほかにも有名無名あるが、その理由は各コンビで違うものの、多いのはやはり「不仲」だ。

 仲には呆気にとられるような理由で解散するコンビもいた。それは今年2月に解散した「プラス・マイナス」。知らない人のために軽く説明すると、岩橋良昌(ツッコミ)と兼光タカシ(ボケ)によるコンビで、兼光のオール巨人やフリーザ(ドラゴンボール)など、レパートリーの広いモノマネを生かしたネタで活躍し、昨年の「第58回上方漫才大賞」では大賞を受賞している。

 しかし、岩橋がXに投稿した発言の数々が問題になり、事務所からの注意を守らなかったことで、吉本興業から契約を解除される。その流れのまま、21年間組んできたコンビは解散となってしまったのだ。

 先日放送された「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日系)では2週にわたって、兼光が解散の真相を告白した。彼の話によると、岩橋とは電話はおろか、直接会うこともなく、岩橋が一方的に投稿したXの文面を見て解散の事実を知った、とのこと。その投稿とほぼ同時に、岩橋からLINEで「今までありがとう」と送られてきたとか。兼光がすぐさま電話をかけるも繋がらず、今に至る状況だ。

 兼光にとってはまさに寝耳に水。しかも1年2カ月前に買った家のローンがまだ34年も残っており、解散した1週間後には2年4カ月待った車が納車され、さらに間もなく赤ちゃんが生まれるというのだから、トリプルパンチもいいところだ。

 5月5日放送の「家、ついて行ってイイですか?」(テレビ東京系)にも兼光が登場。そんなにうまいタイミングで渦中の人に出くわすのは少々眉唾ものだが、帰宅する兼光と一緒に番組スタッフが駐車場に向かうと、そこには2年4カ月待ちで納車されたという、光岡自動車の「Buddy」(中古市場で500~700万円するもよう)が駐車されている。その愛車に乗って到着したのは、こちらも「ローンを完済するのに79歳までかかる」という件の自宅だった。

「耳の穴かっぽじって聞け!」では話だけだったが、こうやって車や家も目の当たりにすると、シャレにならない兼光の現状がよくわかり、それゆえ、見ていて笑えなかった。

「耳の穴かっぽじって聞け!」で兼光は、番組MCの久保田かずのぶ(とろサーモン)と井口浩之(ウエストランド)に向かって「明日は我が身ですよ」と笑っていたが、まさにその直後、井口の相方・河本太が飲酒トラブルを起こしたことが発覚。解散こそしないものの、「明日は我が身」が呪いの言葉のように、井口に刺さっているに違いない。

(堀江南)

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