フリー転身組も…夕方ニュース番組の成功と失敗を決める「男性アナの好感度とインパクト」

 新年度はニュースの顔ぶれが大きく変わる。NHKの青井実アナがフリーに転身して、4月からフジテレビの「Live News イット!」のキャスターに就任。日本テレビの藤井貴彦アナもフリーになり、同局の「news every.」を3月末で卒業して「news zero」のメインキャスターに横滑りすることになった。

「2人ともフリーになって即、帯番組を持つことで、1年目から1億円近い年収を確保することになりそうです。近年はキー局に限らず、新賃金制度導入によって給与が抑えられ、手当が減少。フリーになる男性アナウンサーは多くいますが、全国放送の帯番組を持てるアナウンサーは、この2人ぐらいでしょう。勝ち組といえますね」(テレビ制作スタッフ)

 だが、大々的に報じられている青井アナの電撃的なフジテレビへの移籍をめぐっては、いきなり面目を失う事態が発生。NHKで上司の許可を得ずに親族企業から役員報酬を得て厳重注意を受けた上に、丁寧な説明がなされず局への挨拶も欠いて、わだかまりを残したまま、退局する流れとなってしまったのだ。

「主婦層が視聴者に多い夕方のニュース番組において、男性アナの好感度は重要です。青井アナは祖父が丸井グループの創業者という御曹司。庶民感覚の欠乏が心配され、主婦層に受け入れられるか不透明です。現状、夕方のニュース番組は、好感度抜群の藤井アナの貢献で『news every.』が視聴率トップを走っています。4月からは森圭介アナが藤井アナの代わりとなりますが、インパクトはありません。ガラりと男性MCが交代することで、視聴率の序列に変化が生じるかもしれません」(前出・テレビ制作スタッフ)

 テレビ朝日は「スーパーJチャンネル」のメインキャスターに、今年1月から井澤健太朗アナが就任して試運転中。TBSは「Nスタ」で井上貴博アナがMCを担当している。

 爽やかさを競う男性アナの顔が左右する、夕方のニュース番組。勝者はどの局になるのだろうか。

(佐藤恵)

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