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ホームレスでもスマホさえあれば生活できる――。東京で“貧困ライフ”を謳歌する若者

ホームレスでもスマホさえあれば生活ができる――。東京で“貧困ライフ”を謳歌する人々の素顔とは

 一極集中が進み、毎年40万人以上が転入してくる東京。ダイナミックに日々進化するこの都市では、年々格差も拡大している。さまざまな思惑をもって上京する人が列をなすのと同時に、増え続ける“東京の底辺層”とは――?

◆会社を辞めて気づいた「ホームレス配信者」の道

 仕事を辞めて、家も失う。普通ならば絶望してもおかしくない状況だが、「スマホさえあれば、なんとか生きていける」と話すのは、現在、ホームレス状態の浅川淳さん(仮名・25歳)だ。東京都と千葉県の境目あたりを移動しながら、ライブ配信アプリを通じて得る収入を糧に生活している。

 関西から上京したのは2年前。旅行代理店で働いたが、残業の多さと人間関係に悩むようになった。

「それで結局、後先考えずに辞めちゃいました。けど東京には友達もいないし、会社の同僚とも疎遠になって、気を紛らわすためにライブ配信を始めたんです」

 最初は趣味で始めたライブ配信だが、ネットを通じたコミュニケーションはいつしか救いになっていた。どんどんのめり込み、昼夜問わず配信するようになる。

「熱中しちゃうと声のボリュームが自然とデカくなって、アパート中からクレームが来たんですよ。大家からも『今すぐ出て行ってくれ』と強く言われて、『じゃあ出ていってやるよ!』って。新しく家を借りる金もないし、気が付いたときには、無職で家もない“終わってる”状況になってました」

 配信によってさらなる窮地に立たされた浅川さんだが、彼を救ったのもまた、ライブ配信だった。

「『ホームレス配信』ってタイトルを付けて、公園で野宿しながら雑談していたら、同情してくれるリスナーさんも多くて、結構な額のカンパや援助が集まったんです。先月は最高で10万円稼ぎました。半分はアプリの運営に持っていかれるんですが、それでも5万円は手元に入るし、中にはツイッター経由でアマゾンギフトカードをくれる“神”もいる。ときどき『カネが欲しけりゃ土下座しろ』とか言ってくるリスナーもいますが、土下座くらいいくらでもやりますよ。前の仕事に比べれば軽いもんだし」

 現在は、配信の常連リスナー男の家に、家賃・光熱費タダで泊めてもらっているそうだ。

「今の状況は一切親には話していません。リアルな友達にも恥ずかしくて話せない。恥をさらすのはネットだけでいいんです。仕事や家がなくても、スマホがあれば生活できてるし。なんだかんだ言っても東京には助けてくれる人がいる。たまに『俺、クズだな』って病むこともありますけどね」

 葛藤を抱えながら、彼は今日もスマホに笑顔を向けている。

※週刊SPA!11月14発売号[東京 貧困ライフ]に密着!より