働く女性の約6割。希望年収は500万円以上、管理職には“なりたくない”が多数

働く女性の約6割。希望年収は500万円以上、管理職には“なりたくない”が多数

キャリアデザインセンターが運営する、女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」は、働く女性405名を対象に「女性の活躍」についてアンケートを実施しました。

■約7割が「職場で女性は活躍している」

女の転職type会員に、職場で女性は活躍しているかどうか聞いたところ「まずまず活躍している」40.5%が最も多い結果となり、「かなり活躍している」30.4%を含むと活躍していると答えたのは7割以上でした。

■女性が活躍するとは「責任のある仕事を任される」が1位

続いて、女性が活躍するとはどういうことかを聞いてみると「責任のある仕事を任される」73.3%、「結婚・出産後も長く働く」71.1%、「管理職になる」60.5%が上位でした。

「その他」のコメントには「本人が描く未来像に近付いていると確信できる状況であること」「年齢にかかわらず働ける環境」というものがありました。

「女性の活躍」は、昇給、昇格、昇進など「社会的に評価されること」に加えて「自身が望むキャリアを歩めること」と考える人が多いことがわかります。

■女性の活躍を阻害する要因は「男性優位の会社が多い」が1位

女性の活躍を阻害している要因を聞いたところ「男性優位の会社が多い」69.4%が最も多い結果となり、次いで「時短勤務・在宅勤務など自由な働き方ができない」57.3%、「保育所、学童などの不足」42.0%と続きました。

「その他」のコメントとしては「夫の家庭への関与」「女性同士の足の引っ張り合い」などがありました。

■約3割「管理職になりたい」と回答

管理職になりたいかを尋ねると「できればなりたくない」30.9%が最も多い結果でした。「絶対なりたくない」9.1%を含めるとなりたくない派は40.0%であり、なりたい派30.9%より優勢となりました。

管理職になりたくない理由を聞いてみると「責任が重くなる」67.9%、「残業時間が増える」63.0%、「できる自信がない」58.0%が上位を占めました。

「その他」のコメントでは「家族のことを犠牲にしてまで会社で活躍したくない」「家事育児が負担な上仕事まで大変になると辛い」など、家庭と仕事を両立するために、これ以上仕事の負担を増やしたくないという内容が目立ちました。

■約6割が「管理職にならないと理想の年収には届かない」

将来的にどれくらいの年収を希望するかを聞いたところ、「500〜699万円以下」41.5%が最も多く、次いで「300〜499万円以下」が34.1%でした。

国税庁の民間給与実態統計調査(令和4年分)によると、女性の平均給与は314万円、正社員だけに限ると407万円でした。今回の調査では6割以上の人が500万円以上を望んでいることから、将来的には平均を超えたいという希望が見て取れます。

管理職にならなくても希望の年収に届くと思うかを尋ねてみると「届かないと思う」58.5%が最も多い結果となりました。「届くと思う」「おおむね届くと思う」はあわせて23.2%にとどまっています。

約6割の人が管理職にならないと希望の年収には届かないと思っているものの、Q.4のように管理職になりたい人は約3割にとどまっていることから、ジレンマが感じられます。

女性の活躍を推進するために職場で行われている取り組みついて聞いてみると「出産・育児をサポートする制度の充実」31.4%、「時短・リモートワークなど勤務形態の多様化」30.4%、「女性の管理職を増やす」26.9%が上位でした。

一方で「女性の活躍を推進する取り組みは行われていない」31.6%が最も多い結果となっており、目立った取り組みができていない職場も多いこともわかります。

■職場にロールモデルは「いない」が半数以上

最後に、職場にロールモデル(キャリアや生き方のお手本)となる人がいるかを聞くと、「いない」53.1%が最多でした。

「たくさんいる」「少しいる」を合わせても3割程度ということから、職場に目標となる人物がいない人が多いことがわかる結果となりました。

■調査概要

第94回「女性の活躍って?」/データで知る「女性と仕事」

調査期間:2024年8月10日〜8月21日
有効回答数:405名
調査対象:女の転職type会員
調査方法: Web上でのアンケート
※同調査は「女性」と性自認している人を対象に調査を行っています
※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります

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