『感染したら…』妊娠する前にやるべき!?“風疹ワクチン”って一体
皆さんは、風疹を知っていますか?
発熱、発疹、リンパの腫れといった症状がでる感染症です。
妊娠中の女性は、感染しないように気をつける必要があります。
赤ちゃんが先天性症候群を発症するリスクがあるからです。
そのため風疹ワクチンというものが存在するのですが、詳しいことは知らない場合も多いのではないでしょうか。
風疹ワクチンって?
解説!
厚生労働省によると、風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染した場合、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風しん症候群)子どもが出生することがあるとのこと(妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%などとされています)。
そしてこの風疹に抗体をつけるワクチンがあるのですが、「妊娠中には風しんワクチンを受けられない」んです。
妊娠を希望している方には下記の内容をぜひ積極的に教えてあげてくださいね。
まずは抗体検査を受けよう!
多くの自治体で、妊娠を望む女性とその同居家族へ無料で風しんの抗体検査を実施しています。
例えば東京都目黒区では、同区内にお住まいの19歳以上60歳未満の方が対象です。
無料検査から除外されるのは、検査で確定診断を受けた風しんのり患歴が確認できる方や、風しん含有ワクチンを2回以上接種した履歴が確認できる方。
つまり、十分抗体があるだろうと推測される方ですね。
子どもの頃に風しんのワクチンを1度打っていても、抗体値が低く十分な免疫がない場合もあり得ます。
妊娠をお考えの方、またその同居家族は、ぜひ早めに検査してみてくださいね。
風しんワクチンの接種状況とは?
平成2年4月2日以降に生まれた人は2回、公費でワクチンを受ける機会がありましたが、昭和37年度から平成元年度に生まれた女性及び昭和54年度から平成元年度に生まれた男性は受けていても1回です。そして、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は1回もその機会がなく、十分な免疫を持たない人達が蓄積していたものと考えられています。(厚生労働省HPより引用)
もしその世代に当てはまっている場合、自主的にワクチンを接種すると安心ですね。
かかりつけの医師に相談したり、産婦人科で抗体検査を受けたりしてみましょう。
クーポンが届いた男性は、無料!
また「1962年4月2日生まれ」から「1979年4月1日生まれ」までの男性は、抗体検査とワクチン接種を無料で受けることができます。
対象者の場合、お住まいの市区町村から医療機関で使えるクーポン券が届きます。
2024年度まで利用可能なので、ぜひこの機会に検査とワクチン接種を受けましょう。
同居する家族も抗体検査を
風疹は妊娠中の女性がとくに気をつけなければいけない病気です。
しかし、妊娠中でない人も気を付けることが大切です。
言わずもがな、風疹に感染することで、妊婦さんにうつしてしまうリスクがあるからです。
とくに妊娠中の家族がいる場合は注意が必要なので、一緒に抗体検査を受けてくださいね。
また、再度お伝えしますが妊娠している間は風疹ワクチンを接種することができません。
妊娠を考えている人もそうでない人も、他人事と思わずに早めの対策を!
ライター
草案
助産師:MellowingCokeめい
監修医:新見正則医院院長、新見正則
1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
新見正則医院では世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」を使用。
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